導入・運用

受発注システム導入で依頼先に聞く質問|失敗の原因別リスト

受発注システム導入で依頼先に聞く質問|失敗の原因別リスト

受発注システムを入れたのに、取引先が使ってくれない、販売管理への打ち直しが残った、追加の費用が膨らんだ。こうした失敗は、契約の前に依頼先へ聞いておけば避けられるものがあります。

依頼先に確認するのは、失敗の原因ごとに5つです。自社の価格表と取引条件を再現できるか、受けた注文を販売管理にどう取り込むか、取引先への案内を誰がするか、オプションや追加作業を含めた3年間の総額、やめるときにデータを書き出せるか。回答は口頭で済ませず、見積書や仕様の資料に書いてもらいます。

この記事は、受発注システムの比較で挙げた「依頼先へ確認すること」5点を、メールでそのまま送れる20問に広げたものです。通知(Webhook)やAPIの制限、解約時のデータの持ち出しなど、比較記事では触れていない点も含め、質問が必要な理由を各社の公式ページに書かれた仕様の例で説明します。仕様は2026年10月15日に各社の公式ページで確認したものです。

※受発注総研は、Bカート認定パートナーとして構築・運用代行を手がける株式会社Cravalが運営しています。

この記事でわかること

  • 受発注システムの導入でつまずく5つの原因
  • 原因ごとに依頼先へ聞く質問(合計20問)
  • 質問が必要な理由を示す、各社公式の仕様の例
  • 回答を書面とデモで確かめる方法

受発注システムの導入はなぜ失敗する?

失敗の原因起きること聞く相手
価格と取引条件を再現できない例外の取引先だけ電話・FAXに残るシステムの提供元、導入する会社
社内システムとの二重入力が残る注文を販売管理に打ち直す作業が新しく生まれる提供元、連携を作る会社
取引先に使われないWeb注文が増えず、従来の受注と並行が続く導入する会社
費用が後から増えるオプション、追加作業、上位プランへの変更で総額が膨らむ提供元、導入する会社
やめるときにデータを移せない乗り換えのときに商品・取引先・価格を入れ直す提供元
表1:受発注システムの導入でつまずく5つの原因

依頼先のタイプ(提供元・認定パートナー・制作会社・データ移行の専門会社)ごとの頼める範囲は、BtoB EC構築・移行の相談先にまとめています。

価格と取引条件を再現できるか

  1. 取引先ごとの価格は、掛け率、取引先×商品の個別単価、数量ごとの価格のどれに対応していますか。標準機能ですか、オプションですか
  2. 例外の多い取引先3社の価格表と過去の注文を渡すので、デモ環境で再現してもらえますか
  3. 締め日、最低注文数、ケース単位の販売、送料のルールは、標準機能で設定できますか
  4. 使いたい機能は、どのプランから使えますか

なぜ聞くか:同じ製品でも、機能によって使えるプランやオプションが分かれていることがあります。たとえばBカートは、CSVで注文する機能をプラン30以上で使えると料金ページに書いています(Bカート 料金プラン)。価格の持ち方は製品ごとに差が出る部分で、主な製品の対応はBtoB EC構築・移行の相談先の「取引先別の価格は持ち方で伝える」で比べています。

社内システムとの二重入力が残らないか

  1. 受けた注文は、CSVとAPIのどちらで、誰の操作で、どのくらいの間隔で販売管理に取り込めますか
  2. 商品・価格・在庫は、販売管理側の値をどうやって注文サイトに反映しますか
  3. 注文や会員の変更を外部に知らせる通知(Webhook)はありますか。通知されない操作はありますか
  4. APIの呼び出し回数に上限はありますか。連携で上限を超えそうなときはどうしますか
  5. 取り込みに失敗した注文は、どこで確認して、誰が取り込み直しますか

なぜ聞くか:通知の仕組みがあっても、すべての操作で通知されるとは限りません。BカートはCSVインポートではWebhookの通知を送らず、配信は常に保証されているわけではないと書いています(Bカート Webhook)。業務アプリ側でも、kintoneはExcel・CSVの読み込み、複数レコードの一括削除、一括操作のREST APIでは通知しないと明記しています(kintone Webhook)。価格改定のようにCSVで一括更新する操作ほど、取りこぼしが大きくなりやすい。業務アプリごとの連携手段は業務アプリと注文サイトの連携で比べています。

取引先に使ってもらえるか

  1. 取引先向けの案内文や操作説明の資料は用意してもらえますか。費用は別ですか
  2. 取引先からの操作の問い合わせは、運用開始後に誰が受けますか
  3. FAXや電話で注文する取引先が残る場合、その注文をどう登録しますか
  4. 一部の取引先から始めて、並行期間を置く進め方に対応してもらえますか

なぜ聞くか:システムの設定や商品登録を請け負う依頼先でも、取引先への案内文づくりや操作の問い合わせ対応は見積もりの範囲外になっていることがあります。誰がどこまで担うかを決めずに始めると、取引先からの問い合わせが社内に集中します。取引先に移ってもらう順番はFAX受注から脱却する手順と受発注DXの進め方で扱っています。

費用が後から増えないか

  1. 初期費用、月額、オプション、登録・移行作業、追加開発、保守を、項目ごとに分けて見積もってもらえますか
  2. 注文数や会員数に応じた従量料金、決済手数料はありますか
  3. 商品数や取引先数が増えたとき、どのプランに上がり、月額はいくらになりますか
  4. 見積もりに含まれない作業(仕様の変更、追加の画面、帳票)は、どう見積もりますか

なぜ聞くか:料金表の基本料金に、使いたい機能が含まれているとは限りません。Bカートは注文承認や受注CSVインポートを、aishipRは会員別の価格設定などを含むBtoBオプションパッケージを、月額のオプションとして分けています(Bカート オプション、aishipR 料金)。汎用ECのShopifyは、BtoB機能を上位プランのShopify Plusで提供しています(Shopify Plus 料金)。同じ条件の3年総額で比べる方法はBtoB ECはクラウドか個別開発かと導入コスト実勢調査2026で示しています。

やめるときにデータを移せるか

  1. 商品・取引先・価格・注文履歴は、CSVなどで書き出せますか。書き出せない項目はありますか
  2. 契約期間と解約の予告期限、解約後にデータを参照できる期間を教えてください
  3. 個別に開発した部分の仕様書やソースコードは、受け取れますか

なぜ聞くか:別のシステムに移るとき、取引先のログインパスワードのように、システムの仕様で移せない場合があるデータがあります。どのデータを持ち出せるかで、乗り換えの手間が大きく変わります。移行で移すデータの一覧はBtoB EC構築・移行の相談先の「今の注文サイトから移すときの手順」に載せています。

回答の受け取り方

  • 機能は、デモか試用で再現してもらう:口頭の「できます」は、標準機能か、設定の工夫か、追加開発かを聞き直す
  • 費用と作業の範囲は、見積書に項目ごとに書いてもらう:含まれない作業も書いてもらい、契約書に反映する
  • 連携は、資料で確かめる:提供元の開発者向けドキュメントやヘルプのURLをもらい、通知や呼び出し回数の制限を読む
  • 同じ質問を2〜3社に送る:回答をそろえて並べると、差がはっきりする

20問を全部聞く必要はありません。自社に関係のある原因から、優先して確かめてください。比較のポイント全体は受発注システムの比較で整理しています。

よくある質問

受発注システムの導入で失敗しないために、依頼先に何を確認すればいいですか。
失敗の原因ごとに確かめます。自社の価格表と取引条件をデモで再現できるか、受けた注文を販売管理にどう取り込むか、取引先への案内を誰がするか、オプションや追加作業を含めた3年間の総額、やめるときにデータを書き出せるか、の5つです。回答は口頭でなく、見積書や仕様の資料に書いてもらいます。
依頼先の回答は、どうやって確かめればいいですか。
機能の有無は、自社の価格表と実際にあった注文を使ってデモや試用で再現してもらいます。費用と作業の範囲は見積書に項目ごとに書いてもらい、契約書に反映します。「できます」とだけ答えられた項目は、標準機能か、設定の工夫か、追加開発かを聞き直します。
社内システムとの連携は、どこまで確認すればいいですか。
受けた注文がどの形式(CSVかAPIか)で、誰の操作で、どのくらいの間隔で販売管理に入るかを確かめます。APIや通知(Webhook)を使う場合は、CSVで一括更新した変更が通知されない仕様がないか、呼び出し回数の上限、失敗したときの再取り込みの手順も聞きます。
契約前に、やめるときのことまで聞く必要はありますか。
あります。商品・取引先・価格・注文履歴をCSVなどで書き出せるか、解約の予告期限、解約後にデータを参照できる期間を確かめておくと、別のシステムに移るときの負担を見積もれます。

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