受発注DXの進め方|6つの手順と予算・補助金
2026.10.02
受発注DXとは、電話・FAX・メール・Excelで行っている受注や発注の業務を、システムでデータとして扱える形に変えることです。「何から始めるか」で迷ったら、まず1か月分の受注件数と入力時間を数えてください。その数字が、対象の絞り込みにも、効果の説明にも、補助金の申請にも使えます。
進め方は、現状を数える、対象を絞る、指標を決める、システムを選ぶ、補助金の順番を守って導入する、取引先へ広げる、の6つの手順です。
※受発注総研は、Bカートの構築・運用代行を手がける株式会社Cravalが運営しています。
受発注DXの6つの手順
手順は次の6つです。
現状を数える
受注・発注の件数をチャネル(電話・FAX・メール・Excel)別に、入力時間とあわせて1か月分数える
対象を絞る
業務(受注か発注か)と取引先(どこから移すか)の両方で、最初に変える範囲を決める
指標を決める
入力時間や誤出荷の件数など、効果を確かめる数字を導入前に決めておく
システムを選ぶ
取引先別の価格や掛け払いなど、自社の取引条件を扱えるかで選ぶ
導入する
補助金を使う場合は、交付決定を待ってから契約・発注する
取引先へ広げる
注文の多い取引先から案内する
補助金を使う場合は、GビズIDの取得から交付決定までの期間を含めて逆算します。社内の準備(商品マスタや価格の整理)を先に進めておくと、交付決定のあとの導入が早く終わります。
手順1・2 現状を数え、対象を絞る
最初に、次の項目を1か月分集めます。
| 項目 | 集め方 | 何に使うか |
|---|---|---|
| チャネル別の受注件数 | 電話・FAX・メール・Excelごとに数える | どの受け方から変えるかを決める |
| 取引先別の受注件数 | 上位20社程度を並べる | 案内する取引先の順番を決める |
| 1件あたりの入力時間 | 担当者数名に数件ずつ計ってもらう | 効果の基準値にする |
| 誤出荷・訂正の件数 | 月の訂正伝票や問い合わせから数える | 効果の基準値にする |
対象は、業務と取引先の両方で絞ります。業務は受注側から始める会社が多く、その理由は自社の判断だけで進められるからです。発注(仕入先への注文)は相手の仕組みに合わせる場面が多く、自社だけでは変えにくくなります。仕入先の数が多い会社は、発注側から始める判断もあり得ます。取引先は、集計で件数の多かった上位から始めます。
手順3 効果を測る指標を先に決める
受発注DXが社内で止まる理由の一つは、効果を説明できないことです。導入前に、次のような指標と基準値を決めておきます。
| 指標 | 測り方 | 目標の例 |
|---|---|---|
| 受注入力にかかる時間 | 1日あたりの合計時間 | 基準値から半減 |
| 誤出荷・訂正の件数 | 月あたりの件数 | 基準値から減らす |
| Web受注の比率 | Web受注の件数÷全受注件数 | 段階的に引き上げる |
| 受注締めの時刻 | 当日出荷に回せる受付の締め時刻 | 締め時刻を後ろへずらす |
目標の数字は会社ごとに違って構いません。ただし導入前の基準値は必ず残します。基準値がないと、導入後に「楽になった気がする」以上の説明ができません。
手順4 システムを選ぶ
BtoBの受発注では、取引先ごとの価格や掛率、月末締めの掛け払い、見積もりや与信といった、BtoC向けの通販とは違う条件があります。システムを選ぶときは、まず自社の取引条件をそのまま扱えるかを確かめます。
たとえばBカートは、取引先ごとの価格表示、掛け払い、納品書や請求書などの帳票、外部システムとのAPI連携を標準で備えています。料金は初期費用80,000円、月額9,800円からです(税別・2026年7月時点の公式料金)。
料金を公開していないサービスも多いため、当社が2026年8月に主要9社の公式料金を調べて3年間の費用を試算したBtoB EC構築プラットフォーム 料金・コスト実態調査2026も比較の参考にしてください。
手順5 補助金の順番を守って導入する
受発注DXには、国の「デジタル化・AI導入補助金」(旧IT導入補助金)が使える場合があります。受発注などの機能を持つ登録ITツールの利用料(最大2年分)に加え、そのツールに紐づく導入設定や導入コンサルティングも対象経費に含められます(役務は合算200万円が上限)。
多い失敗は、申請の順番を間違えることです。
| 順番 | やること | 注意点 |
|---|---|---|
| 1 | GビズIDプライムを取得する | 発行に約2週間かかる(時期によって最大約1か月) |
| 2 | SECURITY ACTIONを宣言する | 発行に2〜3日 |
| 3 | 登録支援事業者と交付申請を作り、自社で提出する | 第三者による代理申請はできない |
| 4 | 交付決定を待つ | この前に契約・発注・支払いをした費用は対象外 |
| 5 | 契約・導入・支払い | 交付決定のあとに行う |
| 6 | 実績報告 | 支払いの資料や利用画面を提出する。そのあとも事務局が定める報告が求められる場合がある |
補助率は、2026年の制度のインボイス枠(インボイス対応類型)の場合、補助額50万円以下の部分が中小企業3/4・小規模事業者4/5、50万円超〜350万円の部分が2/3です。枠や類型によって補助率と上限が変わるため、公募要領で確認してください。Bカートの場合、初期費用80,000円と消費税は補助の対象外です。
当社は登録IT導入支援事業者として、申請の作成を支援しています。Bカートの導入設定(初期設定・商品マスタのCSV移行・研修資料・マニュアル)も対象経費に含めて申請でき、プラン別の補助額の目安はデジタル化・AI導入補助金でBカートを導入で試算できます。制度の最新情報は事業ポータルで確認してください。
手順6 取引先へ広げる
システムを公開したら、注文の多い取引先から順に案内し、従来の注文方法と両方を受け付ける並行期間を置きます。案内文の例や並行期間の置き方はFAX受注から脱却する手順で詳しく解説しています。
社内の体制と進め方の注意点
受発注DXを社内で進めるときは、次の点に気をつけます。
- 責任者を1人決める。営業・受注・経理にまたがる取り組みなので、判断する人がいないと止まりやすい
- 現場の受注担当を最初から入れる。取引先ごとの特別な価格や例外の扱いは、担当者が一番よく知っている
- 全部を一度に変えない。受注から始め、在庫や会計との連携は効果を確かめてから広げる
- 指標の基準値と、導入後の数字を同じ方法で測る
まとめ
受発注DXは、受注チャネル別の件数と入力時間を数えるところから始めます。対象を受注業務と上位の取引先に絞り、指標の基準値を残してから、取引条件を扱えるシステムを選んでください。補助金を使うなら、GビズIDの取得を最優先にし、交付決定の前には契約しないことを守ります。
進め方や補助金が使えるかを相談したい場合は、登録IT導入支援事業者でBカート公式の認定パートナー(コンサルティングパートナー)の当社(株式会社Craval)のお問い合わせ窓口をご利用ください。
よくある質問
- 受発注DXは何から始めればいいですか。
- 受注・発注の件数を、電話・FAX・メール・Excelのチャネル別に1か月分数え、1件あたりの入力時間も測ります。この数字が、対象を絞る材料と効果の基準値になります。
- 受発注DXに補助金は使えますか。
- デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)が使える場合があります。交付決定より前に契約・発注・支払いをした費用は対象外になるため、申請の順番に注意してください。
- 受発注DXにはどのくらいの期間がかかりますか。
- 商品数や取引条件の複雑さで変わります。補助金を使う場合は、GビズIDの取得(約2週間)から交付決定までの期間を含めて逆算し、その間に商品マスタや価格の整理を進めておきます。
- 受注と発注のどちらから始めるべきですか。
- 受注側から始める会社が多く、その理由は自社の判断だけで進められるからです。発注は仕入先の仕組みに合わせる場面が多いため、自社だけでは変えにくくなります。
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当社(株式会社Craval)は登録IT導入支援事業者で、Bカート公式の認定パートナーです。現状の数え方から補助金の申請、Bカートの構築、取引先への展開までご相談いただけます。
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