比較・総論

受発注システム 比較15選|タイプ別の選び方とコスト

受発注システム 比較15選

受発注業務をデジタル化したいが、Bカート、COREC、スマレジ・B2B、アラジンEC、TS-BASE、TANOMU など製品が多すぎて違いがわからない。「受発注システム」と「BtoB ECサイト」も同じ意味なのか別物なのかすら整理しきれていない、という担当者は多い。

結論として、月商1,000万円以下でFAX・メール注文をWeb化したい段階ならBカート/COREC/スマレジ・B2Bが現実的。月商1,000万〜1億円で販売管理と一体運用したいならアラジンEC/TS-BASE/楽楽B2Bが候補。月商1億円超で全社業務を統合するならecbeing/ebisumart/SI Web Shoppingに進む。本記事では15製品を3タイプ・3規模で整理し、自社が2〜3製品まで絞れる判断材料を提示する。

受発注システムとは何か(BtoB ECとの違い)

受発注システムは、取引先からの注文受付(受注)と仕入先への発注(発注)の業務フローを自動化するシステムの総称だ。FAX・電話・メールで受けていた注文をWebフォーム・EDI・APIに置き換え、販売管理や在庫管理と連携させる役割を担う。

一方BtoB ECサイトは、受発注システムの中でも「買い手企業がブラウザからカタログを閲覧して注文できる」UIを持つ形態を指す。つまりBtoB ECは受発注システムの一部であり、すべての受発注システムがECとして機能するわけではない。

両者の違いは目的にある。受発注システムの主目的は「既存取引先のFAX・電話注文をなくす」業務効率化。BtoB ECの主目的は「新規取引先の獲得と既存取引のセルフサービス化」という売上拡大寄りだ。経済産業省「電子商取引に関する市場調査」によれば、日本のBtoB EC市場規模は2023年に492兆円(EC化率40.0%)に達しており、受発注のデジタル化は中小企業にも本格的に浸透しつつある。

自社の課題が「既存取引先のFAX削減」ならWeb受発注型、「新規顧客のオンライン獲得」も視野に入るならBtoB EC統合型を選ぶ、と整理すれば製品選定が早い。

受発注システムの3タイプ

受発注システムは大きく3タイプに分かれる。タイプを理解しないと製品比較が表面的になる。

1. Web受発注型(クラウドASP)。買い手企業がブラウザで注文画面にログインし、商品を選択して発注する。月額数千〜数万円、初期1〜2ヶ月で立ち上がる。Bカート、COREC、スマレジ・B2B、TANOMU、Goofice等。中小〜中堅の卸売・メーカーで主流。BtoB EC機能を兼ねる製品もこのタイプに含まれる。

2. EDI型(電子データ交換)。買い手と売り手のシステムが直接データ交換する方式。受発注データをCSV/XML/JSONで自動連携し、人間のWeb画面操作を介在させない。流通BMS、JX手順、Web-EDI(ASN/VAN)等の標準規格に対応した製品が中心。BtoBプラットフォーム(インフォマート)、TS-BASE受発注、スピーディア等。大手取引先からのEDI接続要求がある場合に必須。

3. BtoB EC統合型。受発注機能に加えて、商品カタログ・キャンペーン管理・SEO・LP構築までECとして運用できる。年商規模が大きく、新規顧客開拓を兼ねたい事業者向け。アラジンEC、ecbeing BtoB、ebisumart B2B、EC-ORANGE、SI Web Shopping等。

3タイプは排他ではなく、組み合わせて使うのが現実的だ。例として「既存取引はWeb受発注(Bカート)、大手取引先とはEDI(流通BMS)、新規開拓はBtoB EC(同じBカート上の公開モード)」と分けて構築するパターンが中堅卸では多い。

Web受発注型

クラウドASPで提供。月額数千〜数万円、構築1〜2ヶ月。中小〜中堅で主流。

  • Bカート
  • COREC
  • スマレジ・B2B
  • TANOMU
  • Goofice

EDI型

買い手と売り手のシステムが直接データ交換。大手取引先からの接続要求がある場合に必須。

  • BtoBプラットフォーム TRADE
  • TS-BASE 受発注
  • スピーディア
  • 流通BMS/JX手順対応製品

BtoB EC統合型

受発注+商品カタログ+SEOまで統合。新規顧客開拓を兼ねたい中堅以上向け。

  • アラジンEC
  • ecbeing BtoB
  • ebisumart B2B
  • EC-ORANGE
  • SI Web Shopping
図1:受発注システムの3タイプと代表製品

月商〜1,000万円向け 5選

中小事業者で予算100万円以下、3ヶ月以内の立ち上げを想定した場合の選択肢。

1. Bカート(テクロ)。月額9,800円〜。BtoB特化のクラウド受発注/ECで累計2,000社超の導入実績。掛け払い・取引先別価格・承認制・CSV一括取込kintone連携などBtoB必須機能を標準対応。Web受発注とBtoB EC両用途で使えるのが強み。

2. COREC(ラクーンコマース)。月額9,800円〜、無料プランあり。注文を受ける「受注管理」に特化した低コスト製品。スーパーデリバリーとの連携で買い手企業850万社のネットワークが強み。とにかくFAX・電話注文をWeb化したい卸売事業者向け。

3. スマレジ・B2B(旧楽楽B2B、スマレジ)。月額9,900円〜。AI-OCR、kintone連携、API連携が充実。買い手企業15万社のネットワーク。POS事業者スマレジ傘下のため、店舗POSとの連携を想定する事業者と相性が良い。

4. TANOMU(インフォマート子会社)。月額9,800円〜。食品卸×LINE特化。発注ユーザー10万店舗。LINEでメニュー画像を送るだけで発注完結する独自UIが強み。食品業界の中小卸なら第一候補。

5. Goofice(オープンロジ系)。月額数万円〜。発注書アップロード→自動データ化→出荷指示連携まで一気通貫。物流アウトソース(オープンロジWMS)と組み合わせると、受注〜出荷の業務を丸ごと外部化できる。

月商1,000万〜1億円向け 5選

中堅規模で販売管理・在庫管理と一体運用したい場合の選択肢。

1. アラジンEC(アイル)。初期費用数百万〜、月額数十万〜。販売管理パッケージ「アラジンオフィス」と密連携で受発注〜在庫〜販売管理を一元化。30年5,000社の販売管理ノウハウを背景に、業種別エキスパートが導入支援する。

2. TS-BASE 受発注(竹田印刷)。物流BPOと組み合わせた受発注プラットフォーム。FAX OCR・電話受注の画面入力支援など、紙運用の取引先が多い卸売・印刷業界向け機能が強い。承認フロー・取引先別価格にも対応。

3. 楽楽B2B 拡張プラン(ラクス)。月額数十万円〜。楽楽販売・楽楽明細・楽楽精算とシリーズ統合で運用できる。バックオフィスをラクス系で揃えたい事業者向け。

4. ネクストエンジン+Bカート構成。月額数万円〜。BtoCのマルチチャネル販売(楽天/Amazon/Yahoo!/Shopify)をネクストエンジンで束ね、BtoB卸取引はBカートで分離する設計。BtoBとBtoCの両立が必要な事業者向け。

5. BtoBプラットフォーム TRADE(インフォマート)。食品・外食産業を中心に85万社が接続するBtoB EDIネットワーク。流通BMS/JX手順/Web-EDIに対応。大手チェーンとの取引でEDI接続要求が来る場合の標準解。

製品名 提供形態 月額目安 初期費用目安 対象規模 主な強み
BカートクラウドASP9,800円〜5万円〜中小〜中堅BtoB機能標準・kintone連携
CORECクラウドASP9,800円〜(無料あり)0円〜中小スーパーデリバリー連携
スマレジ・B2BクラウドASP9,900円〜30万円〜中小〜中堅AI-OCR・POS連携
TANOMUクラウドASP9,800円〜要問合せ中小(食品卸)食品×LINE特化
GooficeクラウドASP数万円〜要問合せ中小物流WMS連動
アラジンECパッケージ数十万円〜数百万円〜中堅販売管理アラジン密連携
TS-BASE 受発注パッケージ数十万円〜数百万円〜中堅FAX OCR・物流BPO
楽楽B2Bクラウド数十万円〜数十万円〜中堅楽楽シリーズ統合
ネクストエンジン+Bカートクラウド組合せ数万円〜10万円〜中堅BtoC+BtoB両立
BtoBプラットフォーム TRADEクラウド/EDI要問合せ要問合せ中堅〜大手EDI 85万社接続
ecbeing BtoBフルカスタム数百万円〜数千万円〜大手BtoB EC No.1シェア
ebisumart B2Bクラウド型カスタム数十万〜数百万円数百万〜数千万円中堅〜大手月次バージョンアップ
EC-ORANGEフルカスタム要問合せ数千万円〜大手OMO・オムニチャネル
SI Web Shoppingフルカスタム要問合せ数千万〜数億円大手大手メーカー基幹連携
mcframe BtoBパッケージ要問合せ数千万円〜大手製造業ERP統合
表1:主要15製品の費用・対象規模・強み一覧

月商1億円超向け 5選

大手企業で本格的なエンタープライズ受発注基盤を構築する場合の選択肢。

1. ecbeing BtoB(ecbeing)。国内BtoB EC構築シェアNo.1、1,600サイト以上構築実績。コニカミノルタ、オーディオテクニカ、キーコーヒー等の大手導入事例豊富。受発注・EDI・BtoB EC統合のフルカスタム構築。

2. ebisumart B2B(インターファクトリー)。クラウド型で運用負荷が低く、月次バージョンアップで継続改善される。BtoBコンテンツマーケティングが強く、自社の業界知見をECに反映しやすい。

3. EC-ORANGE BtoB(エスキュービズム)。960社以上の導入実績。OMO・オムニチャネル対応、業種別事例が豊富で、リアル店舗とECを統合したい事業者向け。

4. SI Web Shopping(システムインテグレータ)。25年以上の実績。年商1,000億円以上のメーカー向け基幹システム連携の経験が豊富。SAP・Oracle EBS等のERP連携実績が強み。

5. mcframe BtoB(B-EN-G)。製造業向けERP「mcframe」のBtoB EC拡張モジュール。1,500社以上の導入。生産・販売・原価管理を統合できるため、製造業の受発注DXに最適。

Q:自社の月商と取引先構成は?

月商〜1,000万円

Bカート/COREC/スマレジB2B/TANOMU/Goofice
初期5〜30万円・月額1〜10万円

月商1,000万〜1億円

アラジンEC/TS-BASE/楽楽B2B/NE+Bカート/BtoBプラットフォーム
初期数百万円・月額数十万円

月商1億円超

ecbeing/ebisumart/EC-ORANGE/SI Web Shopping/mcframe
初期数千万〜・フルカスタム

図2:月商規模別の現実的な選択肢マップ

選定の5つの判断軸

15製品から自社に合うものを2〜3に絞る判断軸を5つ示す。

1. 月商規模と3年後の見通し。現在の月商だけでなく、3年後に予測される取引量で選ぶ。リプレースは1,000万〜数千万円のコストになるため、成長フェーズの事業者は1段上の規模帯を見据えた製品を選ぶのが安全だ。

2. EDI対応の必要性。大手チェーン・大手メーカーと取引する場合、流通BMS・JX手順・Web-EDIへの対応要求が来る。EDI標準を満たさない製品を選ぶと、後から数百万円の改修費用が発生する。

3. 既存基幹システムとの連携実績。販売管理(弥生・OBIC・大臣・アラジンオフィス等)、在庫管理(kintoneネクストエンジン等)、会計(freee・マネーフォワード等)との接続実績を確認する。「APIあり」だけでは不十分で、実装事例が公開されているかが重要だ。

4. BtoB特有機能の標準対応掛け払い決済、取引先別価格表、承認ワークフロー、見積→受注フロー、最低注文数量、ロット単位購入。これらが標準機能か別途開発かでTCO(総保有コスト)が大きく変わる。

5. 導入後の運用体制と教育コスト。買い手企業が高齢化している業界(建材・卸売等)では、Web受発注画面のUIがシンプルでないと「結局FAXに戻る」現象が起きる。デモで実機を触り、買い手側スタッフの操作感を確認することが必須だ。

業種別の推奨パターン

業種ごとに重視すべきポイントが異なる。業種別の推奨パターンを示す。

食品卸・外食向け卸:TANOMU、BtoBプラットフォーム TRADE、Bカート。賞味期限管理、温度帯管理、ロット管理、深夜早朝発注が必要。TANOMUは食品特化、BtoBプラットフォームは外食チェーンとのEDI接続に強い。

化学品・工業用品:アラジンEC、Bカート、ecbeing。安全データシート(SDS)添付、危険物表示、ロット番号管理が必要。アラジンECの業種別パッケージが強い。

建材・住宅設備:Bカート、アラジンEC、TS-BASE。建築現場への直送、長尺物配送、加工依頼など独自要件が多い。買い手の高齢化に対応したシンプルUIが重要。

アパレル卸:CROSS MALL、ネクストエンジン+Bカート、ecbeing。色・サイズ展開のSKU管理、シーズン入れ替え、サンプル管理、展示会受注が重要。

製造業(部品・素材):mcframe、SI Web Shopping、アラジンEC。設計図面添付、ロット・シリアル管理、生産計画連動が必要。ERP統合型が現実的。

印刷・販促物:TS-BASE、Bカート、Goofice。バリアブル印刷・小ロット多品種・物流付き受注など、印刷業界特有のフローに対応した製品を選ぶ。

導入後に「使われない」を防ぐ3つのチェック

受発注システムの導入失敗事例の多くは「導入したのに買い手が使ってくれず、結局FAX・電話に戻る」というパターンだ。これを防ぐ3つのチェックを示す。

1. 買い手企業の同意プロセスを先に設計する。受発注システムは売り手だけでなく買い手が日々操作する。導入前に主要取引先(売上上位20%)にヒアリングし、Web発注への移行スケジュール・教育方法・FAX併用期間を合意しておく。これを怠ると稼働率が30%以下にとどまるケースが多い。中小企業庁の中小企業DX調査でも、業務システム導入の最大の壁は「取引先の協力」と報告されている。

2. 紙運用との並行期間を3〜6ヶ月確保する。いきなりFAX禁止にすると取引先が離脱する。FAX・メール注文も並行受け付けつつ、徐々にWeb比率を上げる移行プランが現実的だ。TS-BASE受発注のFAX OCR機能、Bカートの代理発注機能など、紙運用と共存できる製品を選ぶと移行がスムーズになる。

3. 社内の受注処理担当者の業務設計を見直す。Web受発注を導入すると、これまで「FAXを読んで販売管理に手入力していた」担当者の業務が減る。新しい役割(買い手サポート、データ分析、新規取引開拓)への配置転換を導入前に決めておかないと、現場が抵抗勢力化する。BtoB EC導入事例でも、業務設計の見直しが成否を分けている。

製品選定で2〜3社に絞ったら、必ず実機デモを依頼し、買い手企業役・売り手企業役の両方の操作を体験する。資料だけでは見えない使い勝手やレスポンスを体感してから決めることが、失敗を減らす最大のコツだ。

よくある質問

受発注システムとBtoB ECサイトの違いは?
受発注システムは受注〜発注〜出荷指示までの業務フローを自動化する広い概念で、Webフォーム型・EDI型・BtoB EC型を含みます。BtoB ECサイトは受発注システムの中でも、買い手側がブラウザでカタログ閲覧→注文できる形態を指します。FAX・メール・電話受注の代替を目的にするならWeb受発注、ECとして新規顧客開拓もしたいならBtoB ECを選びます。
受発注システムの導入費用の目安は?
Web受発注ASPなら初期5万〜30万円・月額1万〜10万円、EDI連携付きパッケージなら初期300万〜1,000万円・月額10万〜30万円、フルカスタムBtoB EC統合型なら初期数千万〜が目安です。3年TCOで比較すると、月商1,000万円以下ならASPが圧倒的に有利です。
FAX・メール注文をなくしたい場合、最小コストで始められる選択肢は?
COREC(月額9,800円〜、無料プランあり)、Bカート(月額9,800円〜)、スマレジ・B2B(月額9,900円〜)が候補です。買い手側がブラウザから注文できるWebフォームを最短数日で公開できます。FAX OCR機能はTS-BASE受発注などに搭載されており、紙運用の取引先が多い場合に有効です。
既存の販売管理・在庫管理システムと連携できますか?
主要受発注システムは販売管理・在庫・会計とのAPI連携を提供しています。Bカートはkintone・freee連携が強く、アラジンECは販売管理アラジンオフィスと密連携、ネクストエンジン併用ではマルチチャネル販売も統合できます。連携実績は導入前に必ずベンダーへ確認してください。
業種特化型と汎用型のどちらを選ぶべきですか?
食品卸ならTANOMU、印刷・物流付きならTS-BASE、製造業ならアラジン・mcframeなど業種特化型は標準機能で業務要件を満たしやすい反面、業種を超えた拡張は弱い傾向があります。複数業種・将来の事業多角化を見込むなら、Bカート・楽楽B2Bなどの汎用型を選び、必要な業種要件はカスタマイズ・連携で補う方針が安全です。

受発注システム選定でお困りなら

Bカートをはじめ複数製品の導入経験が豊富な株式会社Cravalまで無料相談を。自社の月商規模・業種・取引先構成・既存システムをふまえて、現実的な選択肢を2〜3社まで絞ります。

無料相談する