Bカート × kintone連携|顧客・商品・受注データを一元管理
2026.03.14
BtoB ECサイトをBカートで運営し、社内の業務管理にkintoneを使っている企業は少なくない。問題は両者のデータが分断されていること。担当者がBカートの管理画面で受注内容を確認し、kintoneに手入力する。この二重入力に1日30分かかれば、年間で120時間が消える。
BカートとkintoneをつなぐにはBtone、CData Arc、Yoom、自作APIの4つの選択肢がある。本記事ではそれぞれのコスト、難易度、対応データ範囲を比較し、自社に合った選び方を整理する。
Bカートとkintoneをつなぎたい理由
BtoB ECサイトをBカートで運営し、社内の業務管理にkintoneを使っている企業は少なくない。kintoneは中小企業のバックオフィス基盤として急速に普及しており、顧客管理、在庫管理、請求管理をExcelから移行する受け皿になっている。
問題は、Bカートとkintoneのデータが分断されていることだ。Bカートに受注が入ると、担当者がBカートの管理画面で受注内容を確認し、kintoneの受注管理アプリに手入力する。新規取引先がBカートに会員登録すると、kintoneの顧客アプリにも手動で転記する。在庫が動けば両方のシステムを更新する。この二重入力に1日30分かかるとして、月に10時間、年間で120時間だ。
BカートにはREST APIとWebhook機能がある。kintoneにもREST APIとWebhookがある。両方にAPIがある以上、データの自動連携は実現できる。ただし直接つなぐには開発が必要で、間に入るツールや方式によってコスト、難易度、できることの範囲が変わる。
kintoneの前提条件
連携の話に入る前に、kintone側の制約を押さえておく。
kintoneには3つの料金プランがある。ライトコース(月額1,100円/ユーザー)、スタンダードコース(月額1,980円/ユーザー)、ワイドコース(月額3,300円/ユーザー)だ。最低契約は10ユーザーなので、スタンダードの場合は月額最低19,800円からになる。
注意: ライトコースではBカート連携できない
Bカートとの連携にはAPI機能が必須だが、ライトコースにはAPIが付いていない。スタンダードコース以上でなければ連携できない。ライトコースを使っている企業は、まずプランのアップグレードが前提になる。
kintoneのREST APIには1日あたりのリクエスト上限がある。スタンダードコースは1アプリあたり10,000リクエスト/日、ワイドコースは100,000リクエスト/日だ。受注データの連携程度であれば十分な枠だが、数秒ごとにポーリングするような実装にすると上限に抵触する。Webhookで必要なときだけ連携する方式の方が合理的だ。
4つの連携方法を比較する
Bカートとkintoneをつなぐ方法は4つある。Btone(そとばこ)、CData Arc、Yoom、自作APIだ。それぞれの特徴を見ていく。
| 方法 | 難易度 | 初期費用 | 月額/年額 | 対応データ範囲 |
|---|---|---|---|---|
| Btone | 低(GUI設定) | 個別見積 | 個別見積 | 商品/会員/受注/出荷/見積 |
| CData Arc | 中 | 個別見積 | 年額数十万円〜 | 自由(マッピング設計) |
| Yoom | 低〜中 | 0円 | 0〜1,200円〜/月 | 自由(公式テンプレなし) |
| 自作API(GAS) | 高(要開発) | 開発工数のみ | 実質0円 | 自由(完全制御) |
Btoneは、Bカート専用に設計されたkintone連携アドオン。Bカートのアプリストアから導入でき、GUIでフィールドマッピングを設定するだけで使える。商品、会員、受注、出荷、見積のデータをkintoneに連携できる。Bカート専用設計のため設定がシンプルで、技術知識がなくても導入できる。
CData Arcは、B2Bデータ連携のミドルウェア。BカートのAPIコネクタとkintoneのAPIコネクタをGUIのフロー設計画面でつなぐ。Bカートに限らず、勘定奉行やSalesforceなど複数のシステムを同時に連携させたい場合に強い。年間ライセンス制で費用は高めだが、30日間の無料トライアルがある。
Yoomは国産のノーコード自動化ツール。Bカートのトリガーとkintoneのアクションをフローボットとしてつなぐタイプ。フリープランは月100タスクまで無料。ただしBカートとkintoneをつなぐ公式テンプレートは現時点で用意されていないため、自分でフローを組む必要がある。
自作APIは、GASやPythonでBカートのREST APIとkintoneのREST APIを直接叩く方式。最も柔軟性が高く、ランニングコストはGASなら実質ゼロ。ただし開発と保守にプログラミング知識が必要だ。
Btoneで始めるのが最短ルート
4つの方法のうち、初めてBカートとkintoneを連携するならBtoneを第一候補にすべきだ。理由を3つ挙げる。
- Bカート専用設計。汎用ツールはBカートのデータ構造を知らないため、フィールドの対応関係を自分で調べて設定する必要がある。Btoneは最初からBカートのデータモデルに合わせて作られているため、設定作業が格段に少ない。
- 連携対象のデータ範囲が広い。商品基本情報、商品セット、会員情報、受注情報、出荷情報、見積情報に対応。受注だけ・顧客だけ、と限定的にしか連携できないツールもある中で、Btoneは主要データをほぼカバーしている。
- kintone側の活用の幅が広がる。出荷データをkintoneに連携してSlackやLINEへの通知を自動化する、自社専用のピッキングリスト帳票を出力する、掛け払い受注を請求先別に集約して請求書を作成する、といった活用例が公式に紹介されている。
料金は個別見積もりで公開されていない。導入前にそとばこ社に問い合わせて、自社の連携要件に合ったプランを確認する必要がある。
CData Arcが向くケース
Bカートとkintone以外にも連携先がある企業は、CData Arcの方が合理的だ。
典型的なのは、Bカートの受注データをkintoneの受注管理アプリに連携しつつ、同じ受注データを勘定奉行に仕訳として流し込み、Salesforceの商談データとも紐付けたいケースだ。CData Arcなら1つのプラットフォーム上でこれらを全部つなげる。
連携フローは2種類ある。定期ポーリング方式は、CData ArcがBカートのAPIを定期的に呼び出して新しいデータを取得し、kintoneに登録する。Webhookリアルタイム方式は、Bカートの受注Webhookを直接受信して即座にkintoneに反映する。リアルタイム方式の方が遅延は小さいが、CData Arcが公開URLをHTTPSで公開できる環境(クラウドホスト版推奨)が必要になる。
費用は年間ライセンス制で個別見積もりだが、年間数十万円からが目安だ。中小企業には負担が大きいが、複数システムの連携を1つのツールに集約できるメリットは大きい。
Yoomでスモールスタートする
月間の受注件数が少なく、まずは低コストで連携を試したい場合はYoomが選択肢に入る。フリープランは月100タスクまで無料で、スタンダードプランでも月額1,200円からだ。
Bカートとkintoneをつなぐ公式テンプレートは現時点で提供されていないが、Yoomは両方のサービスにAPI接続できるため、自分でフローを組めば連携は実現できる。BカートのWebhookをYoomのトリガーとして設定し、受注データからkintoneのレコードを作成するアクションをつなぐ流れだ。
Yoomの制約はポーリング間隔にある。プランによって最短5分間隔から60分間隔までしか選べない。リアルタイム性が求められる用途には向かない。1日1回まとめて連携すれば十分な業態なら、フリープランで運用コストゼロの連携が実現する。
GASで自作するメリットとコスト
社内にプログラミングができるメンバーがいるなら、GASでの自作連携も有力な選択肢だ。
GASの利点は3つ。ランニングコストがゼロ、連携ロジックを完全にコントロールできる、他のGoogleサービス(スプレッドシート、Gmail)との組み合わせが容易な点だ。
実装パターンは2つに分かれる。定期実行型は、GASのタイムドリガーで1時間ごとにBカートのAPIから受注一覧を取得し、kintoneに未登録のデータだけを抽出して登録する。リアルタイム型は、BカートのWebhookをGASのWebアプリ(doPost関数)で受信し、即座にkintoneに登録する。
定期実行型はシンプルで安定しているが、最大で1時間の遅延が生じる。リアルタイム型は遅延が数秒だが、BカートのWebhookは配信保証がないため、取りこぼし対策として定期実行型のバッチを補完的に回す二重構成が安全だ。
開発コストの目安として、受注データの一方向連携(Bカート→kintone)だけなら1日から2日で実装できる。顧客データの双方向同期や在庫連携まで含めると1週間程度。保守コストとして月に数時間のメンテナンス(API仕様変更への追従、エラー調査)を見込んでおく。同じGAS構成でLINE通知も組み合わせることができる。
実現できる5つの連携パターン
Bカートとkintoneの連携で実現できる代表的なパターンを5つ紹介する。
- 受注データの自動連携。Bカートで受注確定の瞬間にkintoneの受注管理アプリにレコード自動登録。営業担当者はkintoneで受注状況をリアルタイム確認でき、通知機能でアラート受信。プロセス管理機能で受注→出荷指示→出荷完了→請求のステータス管理もkintone上で完結。
- 顧客データの同期。Bカートに新規会員登録があるとkintoneの顧客アプリにも自動登録。メールアドレスをキーとしたUpsertで既存顧客の情報更新にも対応。kintone側で営業担当者が更新した商談メモや訪問記録を、Bカートの会員情報に反映する逆方向同期も技術的には可能。
- 商品マスタと在庫データの同期。複数の販売チャネルや倉庫を持つ企業がkintoneを在庫情報のハブとして使うパターン。kintoneで在庫数を更新するとBカートのAPIを通じてEC上の在庫数にも反映。販売機会の損失を防ぐ仕組みとして機能。
- 請求・入金管理。Bカートの掛け払い受注データをkintoneに集約し、計算フィールドやレポート機能で請求先ごとの月次集計や請求書の自動生成。Btoneではこの「請求先別にまとめた請求データ作成」が標準機能。
- kintoneの承認フローとBカートの会員承認の連携。Bカートの会員承認制と組み合わせ、Bカートで会員仮登録→kintoneの審査アプリにレコード追加→営業担当者がkintoneで承認→BカートAPIで会員承認を自動実行という流れを構築可能。審査ワークフローがkintone上で完結。
連携方法の選び方
自社に合った方法を選ぶための判断基準を整理する。
技術者がいない中小企業で、BカートとkintoneだけをつなげばいいならBtoneが最適だ。設定はGUIのみで、Bカートの全主要データに対応している。まずBtoneに問い合わせて料金と機能範囲を確認することを推奨する。
Bカート以外にも連携先があるならCData Arc。勘定奉行やSalesforceなど、社内の複数システムを1つのプラットフォームで統合管理したい場合はCData Arcの方が効率的だ。ただし年間コストが高いため、kintoneとの連携だけが目的なら過剰投資になる。
月100件以下の受注で、まず無料で試したいならYoom。フリープランで基本的な連携フローを組み、件数が増えてきたら有料プランかBtoneに切り替える段階的導入が現実的だ。
社内にGASやPythonを書けるメンバーがいて、コストを最小化したいなら自作API。ランニングコストゼロで、連携ロジックを自由にカスタマイズできる。ただし開発者が退職した際の保守リスクは考慮しておくこと。
どの方法を選んでも、kintone側はスタンダードコース以上が必須だ。連携の初期設定が完了したら、テストデータで動作確認してから本番運用に切り替える。二重入力に費やしていた月10時間が戻ってくる効果は、すぐに体感できるはずだ。
よくある質問
kintoneのライトコースで連携できますか
できません。ライトコースにはAPI機能が含まれません。Bカート連携にはスタンダードコース(月額1,980円/ユーザー、最低10ユーザー)以上が必須です。
技術者がいない場合の最適解は?
Btoneを推奨します。Bカート専用設計のためフィールドマッピングがGUIで完結し、商品・会員・受注・出荷・見積の主要データに対応。導入のハードルが最も低い選択肢です。
Bカート以外にも勘定奉行やSalesforceと連携したい場合は?
CData Arcが適切です。複数システムを1つのプラットフォームで統合管理できます。年間ライセンス制で費用は高めですが、kintone単独連携を超える複雑な要件に対応できます。
コストを最小化するには?
GASでの自作APIです。ランニングコスト実質ゼロで、連携ロジックを完全にコントロールできます。ただし開発・保守にプログラミング知識が必要で、担当者の退職リスクは要考慮です。
リアルタイム連携は必要ですか
業務要件次第です。出荷指示や在庫同期で即時性が必要ならWebhookリアルタイム方式、日次バッチで足りるなら定期実行型で十分。リアルタイム型は配信保証がないため、定期実行のバックアップ運用を併用するのが安全です。
Bカート × kintone連携の設計・実装はCravalへ
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