BカートのCSVインポート完全ガイド|大量商品登録を効率化
2026.03.12
BtoB ECサイトの商品数は、BtoCと比べて桁違いに多くなりがちだ。工具卸なら数千点、化学品商社なら数万点の品目を扱う。Bカートの管理画面から1つずつ手入力していたら、商品登録だけで数週間が飛ぶ。
Bカートには6種類のデータをCSVで一括インポートする機能がある。商品マスタ、在庫データ、会員データ、受注データ、受注商品、出荷実績の6つだ。本記事ではテンプレートの選び方から文字コードの罠、画像の一括登録手順、基幹システムとの連携パターンまで、運用現場で本当に必要な情報をまとめた。
商品登録の手入力に限界を感じたら
BtoB ECサイトの商品数は、BtoCと比べて桁違いに多くなりがちだ。工具卸なら数千点、化学品商社なら数万点の品目を扱う。Bカートの管理画面から1つずつ手入力していたら、商品登録だけで数週間が飛ぶ。
Bカートには6種類のデータをCSVで一括インポートする機能がある。商品マスタ、在庫データ、会員データ、受注データ、受注商品、出荷実績の6つだ。このうち最も使う頻度が高いのが商品マスタと在庫データのインポートで、日常的な価格変更や在庫更新にも使える。
公式マニュアルは機能説明に留まっており、実務で引っかかるポイントには触れていない。本記事では、テンプレートの選び方から文字コードの罠、画像の一括登録手順、基幹システムとの連携パターンまで、運用現場で本当に必要な情報をまとめた。
CSVインポートで扱える6つのデータ
Bカートが対応するCSVインポートの全体像を整理する。
商品マスタのインポートは、新規登録と一括更新の両方に使える。商品コード(品番)をキーにして、既存の商品コードと一致すれば更新、一致しなければ新規登録される。商品名、販売価格、説明文、カテゴリ、画像パスなど、ほぼすべての項目をCSVから設定できる。
在庫データのインポートには2つの方式がある。「洗い替え方式」はCSVに書かれた在庫数で上書きする。「入荷実績方式」は現在の在庫数にCSVの数値を加算する。期首の棚卸で全在庫を書き換えるなら洗い替え、入荷のたびに加算するなら入荷実績を選ぶ。
会員データのインポートは、取引先の一括登録に使う。BtoB ECではサイト公開前に既存の得意先を数十社から数百社まとめて登録するケースが多い。会社名、担当者名、メールアドレス、会員グループ(価格グループ)を一括で流し込める。
受注データのインポートはオプション機能だ。電話やFAXで受けた注文をBカートの受注管理に統合したい場合に使う。受注商品のインポートは、既存の受注に対して商品を追加する専用機能。出荷実績のインポートは、送り状番号と発送日を一括で更新する。ヤマトB2クラウドやe飛伝などの配送システムから出力したCSVを取り込んで、発送通知メールを一括送信する際に使う。
テンプレート選びで迷わない
商品CSVのインポート画面を開くと、6種類のテンプレート(雛形)がダウンロードできる。初見では違いが分かりにくいが、用途に応じて使い分ける。
「かんたん新規登録」は、最小限の項目で素早く商品を登録するためのテンプレートだ。商品コード、商品名、販売価格など基本項目だけが並んでおり、初めてCSVインポートを使う場合の練習にもいい。
「全項目」テンプレートは、すべての設定項目が含まれた完全版だ。説明文(HTML対応)、メタ情報、公開/非公開フラグ、削除フラグまで入っている。大量の商品を一括で登録する本番作業では、このテンプレートを使って全項目を制御するのが安全だ。
「基本情報更新【必須のみ】」は、既存商品の価格やカテゴリを変更するときに使う。商品コードと更新したい項目だけを記入すればいい。全項目テンプレートで更新すると、空欄の項目が上書きされてデータが消えるリスクがある。更新作業には必ず「更新用」テンプレートを使うこと。
「セット情報登録」と「セット情報更新」は、商品バリエーション(カラーやサイズ違い)を管理するSKUデータ用だ。基本情報とセット情報は別のCSVに分ける設計になっている。1つのCSVにまとめることはできない。
注意: 古いテンプレートの使い回しはNG
テンプレートは必ず管理画面から最新版をダウンロードする。古いフォーマットのCSVはインポートに失敗する。Bカートの仕様がアップデートされると項目が追加・変更されるため、「前回使ったCSVをコピーして使い回す」のは避けたほうがよい。
Shift-JIS問題を最初に解決する
BカートのCSVインポートで最も多いトラブルが文字化けだ。原因はほぼ100%、文字コードの不一致にある。
BカートのCSVインポートはShift-JIS(CP932)を前提としている。一方、Googleスプレッドシートの出力はUTF-8固定、MacのExcelもデフォルトはUTF-8だ。UTF-8で保存したCSVをそのまま取り込むと、日本語がすべて文字化けする。
WindowsのExcelで作業している場合は、「名前を付けて保存」でファイルの種類を「CSV(コンマ区切り)」にすれば自動的にShift-JISで保存される。ここでCSV UTF-8を選ぶと文字化けする。保存形式の選択画面でうっかり間違えるケースが非常に多い。
Googleスプレッドシートを使っている場合は、一度CSVでダウンロードした後、Windowsのメモ帳で開き、「名前を付けて保存」で文字コードを「ANSI」に変更して保存し直す。手間はかかるが確実だ。Macの場合はターミナルでnkfやiconvを使ってUTF-8からShift-JISに変換すればいい。
文字コードの変換をうっかり忘れた状態でインポートを実行しても、Bカート側でエラーが出ずに文字化けした状態で登録されてしまうことがある。インポート後は必ず管理画面で数件の商品データを目視確認する習慣をつけること。
商品CSVの書き方
テンプレートの中身を見ていく。必須項目は商品コード(品番)だ。この値が既存商品と一致すれば更新、一致しなければ新規登録になる。商品コードの命名ルールは自由だが、基幹システムの品番と揃えておくと連携が楽になる。
商品名、販売価格、説明文は任意項目だが、新規登録なら当然必要だ。説明文にはHTMLタグを直接記述できる。箇条書きやリンク、太字などをCSVの段階で仕込んでおけば、登録後に管理画面で1つずつ編集する手間が省ける。ただし、セル内にカンマが含まれる場合はダブルクォーテーションで値を囲むこと。HTMLタグにはカンマが入りやすいため、囲み忘れると列がずれる。
カテゴリはBカート上のカテゴリ名をそのまま記入する。存在しないカテゴリ名を書いてもエラーにはならないが、どのカテゴリにも属さない商品として登録される。事前にカテゴリをBカートの管理画面で作成しておき、正確な名称をCSVに反映する必要がある。
削除フラグの誤入力に注意
削除フラグの列に「d」を入力すると、その商品は削除される。一括で不要な商品を整理する際に便利だが、誤って削除フラグを入れてしまうと取り返しがつかない。インポート前に必ず既存データのエクスポートを取ってバックアップしておくこと。この手順を省略して事故を起こした例は数え切れない。
画像を一括で登録する方法
CSVから画像ファイルを直接アップロードすることはできない。画像の登録は2段階の作業になる。
最初にBカートの管理画面にある「ファイルマネージャー」に画像ファイルを一括アップロードする。ドラッグ&ドロップに対応しており、複数ファイルをまとめて放り込める。対応形式はjpg、png、gif、svg、webp。ファイルサイズの上限は1ファイルあたり16MBだ。
ファイル名は半角英数字、ハイフン、アンダースコアのみで構成する。全角文字やスペースが含まれると、画像パスが正しく解釈されず表示されない。ファイルマネージャーでアップロード済みのファイルをダブルクリックすると、画像のURLが自動コピーされる。
次にCSVの画像パス列にこのURLを貼り付ける。「ローカルPCのファイルパス」ではなく、「ファイルマネージャー上のURL」を指定する。ここを間違えると画像なしの状態で商品が登録される。
1,000件の商品に画像を一括登録する場合、まず画像ファイル名を商品コードと一致させておくのが効率的だ。たとえば商品コード「TOOL-001」の画像ファイル名を「tool-001.jpg」にしておけば、Excelの数式で画像URLを自動生成できる。ファイルマネージャーのベースURLに商品コードとファイル拡張子を結合するだけだ。
バリエーション商品の登録
BtoB ECではカラー展開やサイズ展開がある商品も多い。Bカートではこれを「セット情報」として管理する。
基本情報のCSVとセット情報のCSVは別ファイルだ。まず基本情報のCSVで親商品を登録し、その後でセット情報のCSVにSKUコード、カラー、サイズ、各SKUの在庫数や価格を記入してインポートする。
セットIDはシステムが自動採番するが、CSVでBカートセットIDを明示的に指定することもできる。基幹システムとの連携でSKU単位のIDを統一したい場合は、自社のSKUコードを指定する方が管理しやすい。
セット情報のCSVで最も注意すべきは行のずれだ。Excelで行を挿入・削除すると、SKUと商品の紐付けがずれて、別の商品に別のSKUが紐付いてしまう。テンプレートに対して行単位で慎重に編集し、加工後はインポート前に整合性を目視チェックすること。
在庫CSVインポートの使い分け
在庫のCSVインポートには「洗い替え方式」と「入荷実績方式」の2つがある。混同すると在庫数が狂うため、使い分けを正しく理解しておく必要がある。
洗い替え方式は、CSVに書かれた在庫数でBカートの在庫を上書きする。品番、在庫数、在庫制限の3項目が必須だ。月初の棚卸結果を一括で反映する、基幹システムの在庫マスタと週次で同期する、といった用途に向いている。
入荷実績方式は、現在の在庫数にCSVの数値を加算する。品番と在庫数の2項目だけで動作する。入荷のたびに「入荷数だけ」をCSVに書いてインポートする運用だ。同一品番を複数行に書くと、すべて加算される。
在庫無制限に設定されている商品と参照商品は、在庫インポートの対象外になる。これは仕様であり、エラーも出ない。対象外の商品がCSVに含まれていても単にスキップされるだけだ。在庫無制限の商品が多い場合、「インポートしたのに在庫が変わらない」と混乱するケースがある。
基幹システムとの連携パターン
Bカートを単体で運用する中小企業は少数派で、多くの企業は販売管理システムやERPと在庫・受注データを連携させている。CSVは最もシンプルな連携方法だ。
手動CSV連携は、担当者が基幹システムからCSVをエクスポートし、必要に応じて加工してBカートにインポートする方式。更新頻度が週1回程度で、品目数が500点以下なら十分に回る。
Bカートにはカスタムフォーマットのマッピング機能がある。基幹システムが出力するCSVの列構成がBカートと異なっていても、一度マッピングを設定すれば基幹システム側のフォーマットのまま取り込める。特に受注CSVのインポートでは、電話やFAXで受けた注文を基幹システム経由でBカートに流し込む際に重宝する。
さらに自動化を進めるなら、BカートのREST APIとGAS(Google Apps Script)やPythonスクリプトを使ったバッチ処理に移行する。CSVファイルのやり取りが不要になり、基幹システムのデータベースからBカートへ直接データを同期できる。kintoneとのAPI連携を組めば、受注から請求まで一気通貫で自動化できる。
CData DriversやECコネクターなどのミドルウェアを使う方法もある。ノーコードでBカートの受注データを勘定奉行やPCAなどの基幹システムに自動転送できる。年間数十万円のライセンス費用がかかるが、毎日のCSV加工作業が完全になくなるなら検討に値する。
よくあるエラーと回避策
CSVインポートで発生しやすいエラーを6つ挙げる。
- 文字コード問題。UTF-8で保存されたCSVは文字化けする。保存時にShift-JIS(ANSI)を明示的に選択すること。
- カンマを含む値の列ずれ。商品説明文やHTMLタグにカンマが入っていると、CSVの区切り文字として解釈されて列がずれる。カンマを含む値はダブルクォーテーションで囲む。
- 画像パスの指定ミス。ローカルPCのファイルパスではなく、Bカートのファイルマネージャー上のURLを指定する。ファイル名に全角文字やスペースが含まれていると表示されない。
- Excelによる数値変換。電話番号の先頭ゼロが消える、長い数値が指数表記になるのはExcelの自動変換が原因だ。CSVを直接Excelで開くのではなく、「データ」タブの「テキストファイルのインポート」から開いて、該当列を「文字列」として読み込む。
- 在庫無制限商品のスキップ。在庫インポートは在庫無制限商品を更新しない仕様だ。エラーが出ずに黙ってスキップされるため、更新漏れに気づきにくい。在庫無制限の商品は別途管理画面から個別に更新する。
- バックアップの未取得。これはエラーではなく運用ミスだが、最も被害が大きい。インポート前のエクスポートを作業手順に必ず組み込むこと。
CSVインポートの実践チェックリスト
大量の商品データをインポートする際の作業手順をまとめる。
インポート前の準備として、管理画面から最新のテンプレートをダウンロードする。既存データのエクスポートを実行してバックアップを保存する。画像ファイルがある場合はファイルマネージャーに事前にアップロードし、URLを控える。
CSVの作成では、Shift-JISで保存する。カンマを含む値はダブルクォーテーションで囲む。画像パスにはファイルマネージャーのURLを指定する。バリエーション商品は基本情報とセット情報を別CSVに分ける。
インポート実行後は、管理画面でエラー表示を確認する。エラーがなくても、登録された商品を5件から10件ピックアップして目視で確認する。商品名の文字化け、画像の表示、価格の正確さ、カテゴリの紐付けを見る。
初回のインポートで全件を一気に流し込むのではなく、まず10件程度のテストデータで試すことを推奨する。テストで問題がなければ本番データを投入する。このひと手間が、数千件の登録をやり直す事態を防ぐ。
よくある質問
BカートのCSVはなぜShift-JISでなければならないのですか
Bカートの仕様としてCSVインポートはShift-JIS(CP932)前提です。UTF-8で保存したCSVをそのまま取り込むと日本語が全て文字化けします。WindowsのExcelは「CSV(コンマ区切り)」保存で自動的にShift-JISになります。
1回のCSVで何件まで取り込めますか
1回のインポートで最大10,000件が目安です。それを超える場合はファイルを分割してください。実運用上は2,000〜3,000件単位で取り込むのが安全で、エラー時の特定もしやすくなります。
画像はCSVに添付できますか
CSVから画像ファイル本体を直接アップロードすることはできません。先にBカートのファイルマネージャーへ画像をアップロードし、その公開URLを商品CSVの画像パス列に記入します。
在庫の洗い替え方式と入荷実績方式の使い分けは?
棚卸で在庫を上書きするなら洗い替え方式、入荷のたびに在庫を加算するなら入荷実績方式です。混同すると在庫数が二重カウントされるため、運用ルールを事前に明確にしてください。
誤って削除フラグを入れてしまった場合は復旧できますか
削除フラグでの削除は復元機能がありません。インポート前に必ず既存データのエクスポートを取り、バックアップを保存してから実行してください。
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