BtoB ECサイト 比較15選|中小〜大手向けの選び方
2026.05.25
BtoB ECを始めたいが、Bカート、アラジンEC、ecbeing、楽楽B2B、COREC など選択肢が多くてどれが自社に合うかわからない。比較記事は多いが、自社規模・業種・予算と合致する判断材料が見つけにくい。
結論として、月商1,000万円以下の小規模スタートはBカート/COREC、中堅はアラジンEC/楽楽B2B、大手はecbeing/ebisumartが現実的な選択肢になる。本記事では15のプラットフォームを規模別に整理し、自社に合うものを2-3個に絞れる判断材料を提示する。
BtoB ECプラットフォームの3つのタイプ
BtoB ECプラットフォームは大きく3タイプに分かれる。タイプを理解しないと、後の比較が表面的になる。
ASP型はクラウドで提供されるレンタル型。月額数千〜数万円で利用でき、初期構築は1-2ヶ月。Bカート、COREC、スマレジB2B、TANOMU等。最低限のカスタマイズで動く反面、独自要件は外部連携で実現する。
パッケージ型はソフトウェアをライセンス購入して構築する。初期費用は数百万〜、月額はメンテナンス費用ベース。アラジンEC、楽楽B2B、TS-BASE、CROSS MALL等。カスタマイズ自由度が高く、業務に合わせて作り込める。
フルカスタム型はゼロから構築する。初期費用は数千万〜1億円超、開発期間6ヶ月以上。ecbeing、ebisumart、EC-ORANGE、SI Web Shopping、mcframe等。完全に独自要件で構築するため、年商10億円以上の事業者向け。
3タイプの違いは「カスタマイズ自由度 vs 初期費用 vs 構築期間」のトレードオフだ。自社が事業フェーズのどこにいるかで最適タイプが変わる。
中小企業向け(月商〜1,000万円)の主要5選
中小事業者で予算100万円以下で始めたい場合の選択肢を5つ挙げる。
1. Bカート。月額9,800円〜(最低限プラン)。BtoB EC ASPの代表格。掛け払い・取引先別価格・承認制など、BtoB必須機能を標準対応。テクロが運営、累計2,000社超の導入実績。Cravalもパートナー。
2. COREC。月額9,800円〜。ラクーンコマースが運営。スーパーデリバリーとの連動で買い手企業850万社のネットワークが強み。新規取引先開拓と既存取引のEC化を同時に進めたい事業者向け。
3. スマレジ・B2B(旧楽楽B2B)。月額9,900円〜。スマレジ子会社(旧 ネットショップ支援室)が運営。AI-OCR、kintone連携等の機能訴求が強い。買い手企業15万社。
4. TANOMU。月額9,800円〜。インフォマート子会社が運営。食品卸×LINE特化。発注ユーザー10万店舗。食品業界に特化するなら最適。
5. 楽楽B2B(ラクス)。月額数万円〜。楽楽販売シリーズの一環で、販売管理〜EC〜請求書発行までシリーズ統合で運用できる。社内システムをラクス系で揃えるなら相性が良い。
中堅企業向け(月商1,000万〜1億円)の主要5選
中堅規模で本格的なBtoB EC構築をする場合の選択肢。
1. アラジンEC(アイル)。初期費用数百万〜、月額数十万〜。販売管理パッケージ「アラジンオフィス」と密連携で在庫・受発注・販売管理を一元化できる。30年5,000社の販売管理ノウハウ。業種別エキスパート編成。
2. 楽楽B2B 拡張プラン。月額数十万円〜。基本機能に加えてワークフロー、取引先別価格設定、承認フロー等の中堅向け機能。ラクスシリーズで統合運用。
3. TS-BASE 受発注。竹田印刷が運営。物流BPOと組み合わせた受発注プラットフォーム。中堅卸売・印刷業界に強い。承認機能・カスタマイズ性が中堅向け。
4. ネクストエンジン + Bカート構成。月額数万円〜。BtoCのマルチチャネル販売(楽天/Amazon/Shopify)をネクストエンジンで束ね、BtoB卸取引はBカートで分離する設計。BtoBとBtoCの両立が必要な中堅向け。
5. CROSS MALL(アイル)。月額数十万円〜。複数モール・自社EC・店舗POSを統合管理。1,200社導入。アラジンECと姉妹サービスでバックヤード強化向け。
大手企業向け(月商1億円超)の主要5選
大手企業で本格的なエンタープライズBtoB EC構築をする場合。
1. ecbeing BtoB。国内シェアNo.1、1,600サイト以上構築実績。コニカミノルタ、オーディオテクニカ、キーコーヒー等の大手導入事例豊富。年商100億円以上の事業者向け。
2. ebisumart B2B。インターファクトリーが運営、クラウド型のため運用負荷が低い。BtoB特集記事多数。「読めばECのすべてが分かる」をコンセプトとしたコンテンツ充実。
3. EC-ORANGE。エスキュービズム。960社以上の導入実績、OMO/オムニチャネル対応、業種別事例豊富。
4. SI Web Shopping。システムインテグレータ。25年以上の実績、年商1,000億円以上のメーカー向け。基幹システム連携の経験豊富。
5. mcframe BtoB(B-EN-G)。製造業向けERP「mcframe」のBtoB EC拡張モジュール。1,500社以上の導入、生産・販売・原価管理を統合できる。
選び方の5つの判断軸
15プラットフォームから自社に合うものを絞る判断軸を5つ整理する。
1. 月商規模:1,000万以下なら ASP(Bカート/COREC等)、1億以下なら パッケージ(アラジン/楽楽B2B/TS-BASE等)、1億超なら フルカスタム(ecbeing/ebisumart等)。月商の増加に合わせてリプレースすることになるため、3年後の規模を想定して選ぶ。
2. BtoB特有機能の充実度:掛け払い、取引先別価格、承認制、卸単価表示、最低注文数量、見積機能。これらを標準対応しているか確認する。標準対応していないとカスタマイズ費用が膨らむ。
3. 既存システム連携:販売管理ソフト、会計、CRM、倉庫管理との接続実績。Bカートはkintone/freee連携が強い、アラジンECは販売管理アラジンオフィスと密連携。
4. 初期費用と月額のバランス:3年TCO(総保有コスト)で比較する。月額9,800円のASPなら3年で35万円、初期300万のパッケージなら3年で500万円が目安。
5. 拡張性と運用負荷:将来の機能追加、新規モール連携、API開発の自由度。ASPは制約強め、パッケージは中間、フルカスタムは完全自由。
業種別の推奨パターン
業種ごとに「BtoB ECで特に重視すべきポイント」が異なる。業種別の推奨パターンを示す。
食品卸:TANOMU、Bカート、楽楽B2B。賞味期限管理、温度帯管理、ロット管理が必須。TANOMU は食品特化で最も合う。
化学品・工業用品:アラジンEC、Bカート、ecbeing。安全データシート(SDS)添付、危険物表示、ロット番号管理が必要。アラジンECの業種別パッケージが強い。
建材:Bカート、アラジンEC、TS-BASE。建築現場への直送、長尺物配送、加工依頼など独自要件がある。
アパレル(卸):CROSS MALL、ネクストエンジン+Bカート、ecbeing。色・サイズ展開のSKU管理、シーズン入れ替え、サンプル管理が重要。
医療機器・医薬品:アラジンEC、ecbeing、mcframe。許認可番号管理、滅菌期限、流通追跡が必要。大手中心のフルカスタム型が現実的。
失敗を避ける3つのチェックポイント
BtoB EC選定で失敗しないための最終チェック3つ。
1. 掛け払い対応:BtoBでは掛け払いが標準。クレジット決済中心のBtoC型プラットフォームを誤って選ぶと、後で大規模改修が必要になる。NP掛け払い、Paid、クロネコ掛け払い等への対応確認は必須。
2. 取引先別価格・在庫:得意先別に価格表が変わる、特定取引先に在庫を確保する、見積から発注に流れるフローなどBtoB固有の要件を満たすか。ASP型は標準対応しているが、汎用BtoCを流用したプラットフォームは弱い。
3. 既存基幹システム接続:販売管理、在庫管理、会計、CRMとの接続経路。kintoneやネクストエンジンを介した連携、または直接API連携の実績を確認する。
選定段階で2-3社に絞ったら、必ず実機デモを依頼する。資料だけでは見えない使い勝手やレスポンスを体感してから決めることが、失敗を減らす最大のコツだ。
よくある質問
一番安いBtoB ECプラットフォームは?
Bカート(月額9,800円〜)が最も低価格で開始できます。最低限の機能でスタートし、必要に応じて拡張する戦略が中小企業には現実的です。
ecbeingとebisumartの違いは?
どちらも大手向けですが、ecbeingはパッケージ型の柔軟なカスタマイズが強み、ebisumartはクラウド型で運用負荷を抑えやすい点が強みです。
楽楽B2Bは中小と中堅どちらに向く?
月商規模で1,000万円付近が境界です。基本機能で運用するなら中小向け、ワークフロー機能や取引先別価格設定を活用するなら中堅向けです。
既存の販売管理ソフトと連携できますか
主要プラットフォームはAPI連携を提供しています。Bカートはkintone・freee等、アラジンECは販売管理アラジンオフィスと密連携、ecbeingは大手基幹システムとの連携実績豊富です。
構築期間はどのくらいかかりますか
ASP型(Bカート/COREC等)は1-2ヶ月、パッケージ型(アラジンEC/楽楽B2B等)は3-6ヶ月、フルカスタム(ecbeing/ebisumart等)は6ヶ月以上が目安です。