BtoB ECサイト 比較12選|中小〜大手向けの選び方
2026.05.25
BtoB ECを始めたいが、Bカート、アラジンEC、ecbeing、スマレジEC・B2B、COREC など選択肢が多くてどれが自社に合うかわからない。比較記事は多いが、自社規模・業種・予算と合致する判断材料が見つけにくい。
結論として、小規模スタートはBカート/COREC、中堅はアラジンEC/TS-BASE、大手はecbeing/ebisumartが現実的な選択肢になる。本記事では12のプラットフォームを規模別に整理し、自社に合うものを2-3個に絞れる判断材料を提示する。
BtoB ECプラットフォームの3つのタイプ
BtoB ECプラットフォームは大きく3タイプに分かれる。タイプを理解しないと、後の比較が表面的になる。
ASP型はクラウドで提供されるレンタル型。月額制で、初期費用0円の製品もある(例:COREC 初期0円・月額2,980円〜、Bカート 初期8万円・月額9,800円〜、いずれも税別)。Bカート、COREC、スマレジEC・B2B、TANOMU等。最低限のカスタマイズで動く反面、独自要件は外部連携で実現する。
パッケージ型はパッケージをベースに自社の業務に合わせて構築する。アラジンEC、TS-BASE等。公式の例では、アラジンECの小規模カスタマイズが初期400〜800万円・月額7〜10万円、TS-BASE 受発注が初期50万円・月額14万円。カスタマイズ自由度が高く、業務に合わせて作り込める。
フルカスタム型は自社の要件に合わせて大きく作り込む方式で、ecbeing、SI Web Shopping等。ebisumartはクラウド型でカスタマイズできる方式、ecbeingはSaaS版のecWorksも提供している。ebisumartは「最低金額は初期導入費用300万円、月額費用25万円程度から」と公表している。
ASP型
クラウドのレンタル型
- 月額制・初期費用が低い
- 標準機能で早く始められる
- Bカート・COREC等
パッケージ型
パッケージを業務に合わせて構築
- 初期費用は構築内容しだい
- 業務に合わせて作り込める
- アラジンEC・TS-BASE等
フルカスタム型
要件に合わせて大きく作り込む
- 個別見積り
- 基幹システム連携を前提に設計
- ecbeing・SI Web Shopping等
3タイプの違いは「カスタマイズ自由度 vs 初期費用 vs 構築期間」のトレードオフだ。自社が事業フェーズのどこにいるかで最適タイプが変わる。
中小企業向けの主要4選
中小事業者で初期費用を抑えて始めたい場合の選択肢を4つ挙げる。
1. Bカート。月額9,800円〜(ライトプラン・税別)。BtoB EC ASPの代表格。掛け払い・取引先別価格・承認制など、BtoB必須機能を標準対応。株式会社Daiが提供し、導入企業は2,500社以上(2026年5月の同社発表)。
2. COREC。受注側 月額2,980円〜(税抜・無料プランあり・初期費用0円)。ラクーングループが運営。まず無料で受発注のWeb化を試したい事業者向け。
3. スマレジEC・B2B(旧 楽楽B2B)。株式会社スマレジが運営(2025年11月に名称変更)。料金は公式サイトで資料請求(2023年12月の告知ではStandardプラン39,800円〜)。AI-OCR(スマホdeOCR)、公開APIを提供。買い手企業15万社(2024年1月時点)。
4. TANOMU。月額数万円〜の定額課金(受注件数で変動)。インフォマートが提供。LINEで卸の受発注を効率化する製品で、発注側の導入実績は100,000店舗以上。
中堅企業向けの主要4選
中堅規模で本格的なBtoB EC構築をする場合の選択肢。
1. アラジンEC(アイル)。初期400〜800万円・月額7〜10万円(小規模カスタマイズの例、公式)。販売管理パッケージ「アラジンオフィス」と連携して在庫・受発注・販売管理を一元化できる。アイルが30年以上・6,000社以上のBtoBノウハウを持つ。
2. TS-BASE 受発注。竹田印刷が運営。承認機能、ユーザーグループ別の価格・商品表示に対応し、自社倉庫で在庫・出荷のアウトソーシングも受けられる。料金例は初期50万円・月額14万円。物流まで任せたい卸売の候補になる。
3. ネクストエンジン + Bカート構成。Bカート(月額9,800円〜)とネクストエンジン(月額3,000円〜。受注200件までの基本料金で、件数に応じて変わる。料金ページ)の利用料に加え、連携費用を確認する。BtoCのマルチチャネル販売(楽天/Amazon/Shopify)をネクストエンジンで束ね、BtoB卸取引はBカートで分離する設計。BtoBとBtoCの両立が必要な中堅向け。
4. CROSS MALL(アイル)。公式サイトでは初期費用0円・月額10,000円〜(サイト数ごと、税抜)と案内している(料金ページ)。複数モール・自社ECを統合管理するクラウド。2,000社以上に導入。アラジンECと同じアイルの製品。
大手企業向けの主要4選
大手企業で本格的なエンタープライズBtoB EC構築をする場合。
1. ecbeing BtoB。ecbeingは「ECサイト構築(カスタマイズ型、SaaS/PaaS)市場 18年連続シェアNo.1」と公表している(富士キメラ総研の調査をもとに、2022年度までは自社推定)。構築実績1,600サイト超。コニカミノルタジャパン、オーディオテクニカ、キーコーヒーの法人向けEC事例がある。公式の対象は「中堅・大手企業向け」。
2. ebisumart。インターファクトリーが運営、クラウド型のため運用負荷が低い。最低金額は初期導入費用300万円・月額費用25万円程度から(公式)。「読めばECのすべてが分かる」をコンセプトとしたオウンドメディアも運営している。
3. EC-ORANGE。エスキュービズム。BtoB向けに「EC-ORANGE BtoB」を提供。検討する際は、BtoB EC用途の導入事例を確認する。
4. SI Web Shopping。SI Web Shopping(DGビジネステクノロジー)。25年以上・累計1,100超のEC構築実績。公式の対象は「EC年商数十億円以上を目指す中規模・大規模EC事業者」。
選び方の5つの判断軸
12プラットフォームから自社に合うものを絞る判断軸を5つ整理する。
1. 事業規模:小規模なら ASP(Bカート/COREC等)、中堅なら パッケージ(アラジンEC/TS-BASE等)、大手なら フルカスタム(ecbeing/SI Web Shopping等)が候補になる。規模の拡大に合わせてリプレースすることになるため、3年後の規模を想定して選ぶ。
2. BtoB特有機能の充実度:掛け払い、取引先別価格、承認制、卸単価表示、最低注文数量、見積機能。これらを標準対応しているか確認する。標準対応していないとカスタマイズ費用が膨らむ。
3. 既存システム連携:販売管理ソフト、会計、CRM、倉庫管理との接続実績。Bカートはkintone連携アプリ(Btone、他社提供)やネクストエンジン連携がある。アラジンECは販売管理アラジンオフィスと連携する。
4. 初期費用と月額のバランス:基本利用料の小計は初期費用と月額利用料から算出できる(Bカート ライトプランなら3年で約43万円=初期8万円+月額9,800円×36、税別)。総保有コストを比較する際は、必要なオプション、連携、構築、運用の費用も加える。
5. 拡張性と運用負荷:将来の機能追加、新規モール連携、API開発の自由度。ASPは標準機能の範囲で使う前提、パッケージは中間。フルカスタム型は、技術・契約・予算上の制約を確認しながら、個別要件に合わせた開発範囲を決める。
業種別の推奨パターン
業種ごとに「BtoB ECで特に重視すべきポイント」が異なる。業種別の推奨パターンを示す。
食品卸:TANOMU、Bカート。賞味期限管理、温度帯管理、ロット管理が必須。TANOMUは食品卸のほか酒類卸・備品資材卸も対象にしている。
化学品・工業用品:アラジンEC、Bカート、ecbeing。安全データシート(SDS)添付、危険物表示、ロット番号管理が必要。アイルは販売管理アラジンオフィスで業種特化型パッケージを提供している。
建材:Bカート、アラジンEC、TS-BASE。建築現場への直送、長尺物配送、加工依頼など独自要件がある。
アパレル(卸):CROSS MALL、ネクストエンジン+Bカート、ecbeing。色・サイズ展開のSKU管理、シーズン入れ替え、サンプル管理が重要。
医療機器・医薬品:アラジンEC、ecbeing。許認可番号管理、滅菌期限、流通追跡が必要。要件が多いため、作り込みができる方式が現実的。
Bカートとecbeingの違い
Bカートとecbeingは、どちらもBtoB ECでよく比べられますが、方式も向いている規模も違います。Bカートは月額制のクラウド(ASP型)で、中小〜中堅の卸・メーカーが短い期間で始めるのに向いています。ecbeingはフルカスタム型で、大手が自社の業務や基幹システムに合わせて作り込むのに向いています。
| 項目 | Bカート | ecbeing |
|---|---|---|
| 方式 | ASP型(クラウド・月額制) | フルカスタム型(SaaS版のecWorksもある) |
| 料金の公開 | 公開(初期費用80,000円・月額9,800円〜、税別) | ミドル・エンタープライズは非公開。SaaS版のecWorks(BtoB)は初期300万円〜・月額10万円〜 |
| 向いている規模 | 中小〜中堅 | 公式の対象は「中堅・大手企業向け」 |
料金の調べ方と9社の比較はBtoB EC構築プラットフォーム 料金・コスト実態調査2026、それぞれの詳細はBカートとはとecbeingとはにまとめています。
失敗を避ける3つのチェックポイント
BtoB EC選定で失敗しないための最終チェック3つ。
1. 掛け払い対応:BtoBでは掛け払いが標準。NP掛け払い、Paid、クロネコ掛け払い等について、製品ごとに標準機能・追加機能・個別開発のどれで対応するかを確認する。
2. 取引先別価格・在庫:得意先別に価格表が変わる、特定取引先に在庫を確保する、見積から発注に流れるフローなどBtoB固有の要件を満たすか。製品ごとに標準機能・追加機能・個別開発の対応範囲を確認する。
3. 既存基幹システム接続:販売管理、在庫管理、会計、CRMとの接続経路。kintoneやネクストエンジンを介した連携、または直接API連携の実績を確認する。
選定段階で2-3社に絞ったら、必ず実機デモを依頼する。資料だけでは見えない使い勝手やレスポンスを体感してから決めることが、失敗を減らす最大のコツだ。
よくある質問
- 一番安いBtoB ECプラットフォームは?
- 月額料金だけで見ると、COREC(無料プランあり、有料2,980円〜)が低く、Bカートは9,800円〜です。最低限の機能でスタートし、必要に応じて拡張する戦略が中小企業には現実的です。
- ecbeingとebisumartの違いは?
- どちらも大手向けですが、ecbeingは作り込みの自由度が強みで、SaaS版のecWorksも提供しています。ebisumartはクラウド型で週に一度アップデートを行っており、運用負荷を抑えやすい点が強みです。
- 既存の販売管理ソフトと連携できますか
- 主要プラットフォームはAPI連携を提供しています。Bカートはkintone連携アプリ(Btone、他社提供)やネクストエンジン連携があり、アラジンECは販売管理アラジンオフィスと連携、ecbeingはスマイルα、オービック7、SAP、OBC奉行などとの連携実績を公表しています。
- 構築期間はどのくらいかかりますか
- ASP型(Bカート/COREC等)は標準機能で始められるため短く、パッケージ型・フルカスタム型は作り込みの範囲で大きく変わります。候補を絞ったら、見積りと一緒にスケジュールを出してもらって比べてください。