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Bカートの掛け払い機能を徹底解説|NP・Paid・クロネコ比較

Bカートの掛け払い機能を徹底解説|NP掛け払い・Paidとの比較

法人間取引の商慣習は「月末締め翌月末払い」が根強い。BtoB ECで掛け払い決済に対応していなければ、既存の取引先が発注をためらう。中小企業庁の調査でも、中小企業間取引の約8割が掛売り(後払い)で行われている。

Bカートでは現在4つの掛け払いサービスが利用できる。Bカート掛け払い、NP掛け払い、Paid、クロネコ掛け払いの4つだ。公式サイトには各サービスの機能説明はあるが、横並びで比較した記事は存在しない。本記事ではこの4サービスを料金・与信・Bカート連携方法の3軸で比較する。

BtoB ECに掛け払いは必須か

法人間取引の商慣習は「月末締め翌月末払い」が根強い。取引先に「前払いでお願いします」と伝えた瞬間、相手の表情が曇った経験は、卸売業の営業担当なら一度はあるだろう。

BtoC ECではクレジットカードやコンビニ払いが主流だが、BtoB ECでは事情が違う。中小企業庁の調査によると、中小企業間取引の約8割が掛売り(後払い)で行われている。ECサイトを立ち上げても、掛け払いに対応していなければ既存の取引先が使ってくれない。

掛け払いを導入すると、売り手側には未回収リスクが発生する。自社で与信管理をやると、新規取引先ごとに信用調査をかけ、与信枠を設定し、入金確認と督促を繰り返す作業が必要になる。月間取引先が100社を超えると、経理担当者1人では回らない。

ここで登場するのが掛け払い決済サービスだ。与信審査、請求書発行、代金回収、未回収保証までを外部に委託できる。売り手は「売ったら終わり」になり、買い手は慣れ親しんだ後払いで注文できる。

Bカートで使える4つの掛け払いサービス

まず、4つのサービスの基本情報を整理する。

Bカート掛け払いは、マネーフォワードケッサイ株式会社との共同開発でBカートにネイティブ統合された公式サービスだ。2024年末にリリースされ、2025年5月時点で導入100社を突破した。Bカートの管理画面だけで申込から運用まで完結する点が最大の特徴。外部サービスとの個別契約が不要で、導入のハードルが最も低い。

NP掛け払いは、株式会社ネットプロテクションズが2011年から提供する老舗サービスだ。累計取扱高は2025年7月に1兆円を突破し、買い手企業の累計利用数は100万社を超える。個人事業主への与信対応力が業界で最も高く、建設業や内装業など職人が発注者になる業態で圧倒的な強みを持つ。

Paidは、株式会社ラクーンフィナンシャルが提供する企業間決済サービスだ。導入企業5,000社超で「企業間決済サービス導入企業数No.1」を掲げる。与信限度額が1取引先あたり最大1,000万円(全体では最大5,000万円)と最大規模で、大口取引が多い製造業やIT企業に向いている。

クロネコ掛け払いは、ヤマトクレジットファイナンス株式会社が運営する。ヤマト運輸グループの一員であり、物流と決済をグループ内で一体管理できる点が他にはない特徴だ。導入企業2,000社以上、買い手企業の登録数20万社以上。請求書の発行・郵送費が0円という料金設定も見逃せない。

料金・手数料を比較する

掛け払いサービスの料金は、初期費用、月額固定費、手数料率、請求書発行費の4要素で構成される。4サービスとも初期費用は0円。差が出るのは月額固定費と手数料率だ。

サービス 初期費用 月額固定費 手数料率 請求書発行費
Bカート掛け払い 0円 0〜16,000円 2.4〜3.2% プランに含む
NP掛け払い 0円 12,000円〜 1.2〜3.6% 190〜252円/通
Paid 0円 0円〜 0.5〜3.5% + 125円/件 プランに含む
クロネコ掛け払い 0円 0〜10,000円 最大3.5%(個別相談) 0円

月商が少ない立ち上げ期はBカート掛け払い(プランA)かPaidが有利になる。月商が300万円を超えるとBカート掛け払いのプランC(月額1万6,000円、手数料2.4%)になるが、NP掛け払いの月額1万2,000円+手数料1.2%と比較すると、月商1,000万円規模ではNP掛け払いの方がトータルコストが低くなるケースがある。

請求書の発行・郵送費も馬鹿にならない。NP掛け払いは1通あたり190円から252円かかる。月に200通の請求書を送ると、それだけで4万円から5万円だ。クロネコ掛け払いは請求書の発行・郵送費が0円。ここだけで年間50万円近い差が出ることもある。

与信スピードと限度額の違い

新規取引先がECサイトで注文しようとしたとき、「審査に3営業日かかります」と表示されたらどうなるか。高い確率で離脱する。与信スピードはBtoB ECの受注率に直結する。

4サービスのうち、最も速いのはBカート掛け払いだ。最短数秒で審査結果が出る。マネーフォワードケッサイの審査エンジンがBカートの注文フローにネイティブ統合されているため、買い手は注文と同時に与信が完了する。与信通過率は99%と公表されている。

NP掛け払いは平均5分以内でリアルタイム審査が完了する。書類提出が不要で、買い手側に負担がかからない。与信通過率は98%から99%で、個人事業主にも与信を出せるのがNP掛け払い最大の強みだ。工務店や内装業者のような一人親方への対応を重視するなら、ここが決め手になる。

Paidは初回審査に数分から3営業日かかる場合がある。ただし、一度審査を通過した取引先は二度目以降の審査が不要になるため、継続取引が中心の業態ならデメリットは小さい。

クロネコ掛け払いは最短5分で審査回答が届く。審査結果の通知メールが自動送信される仕組みがあり、管理画面で進捗を確認する手間が省ける。

与信限度額は企業選びの決定打になることが多い。Paidは1取引先あたり最大1,000万円、全体で最大5,000万円と群を抜く。機械部品や産業用設備のように1回の発注が数百万円になる業態では、Paid以外に選択肢がほぼない。クロネコ掛け払いは1取引先あたり最大2,000万円で、中堅規模の取引にも対応する。一方、Bカート掛け払いとNP掛け払いの初期与信枠は一律30万円だ。増枠申請は可能だが、消耗品や小口資材の受発注が中心の業態に適したレンジと言える。

Bカートとの連携方法を比較する

連携方法の違いは、日常の運用工数に直結する。

Bカート掛け払いはBカートに完全統合されている。外部サービスとの契約手続きも、APIキーの設定も不要。Bカートの管理画面から申し込むと、8日から10営業日で利用を開始できる。与信審査、請求書発行、入金管理、督促まですべてBカートの管理画面内で完結するため、運用負荷が最も低い。

もう一つBカート掛け払いにしかない機能がある。売上確定の基準日を注文日、出荷日、納品日の3つから選べる点だ。受注生産品のように注文から納品まで日数が開く商材では、「納品日基準で売上確定」を選べば、実態に合った請求が可能になる。他の3サービスにはこの機能がない。

注意: NP掛け払いのインボイス制度対応に制約

NP掛け払いとBカートの連携ではインボイス制度対応の請求書発行に制約がある。税計算方式の違いにより、適格請求書の要件を満たせないケースが報告されている。インボイス対応が必須の取引先を抱えている場合、NP掛け払いの利用は慎重に検討した方がよい。

Paidの設定は、マーチャントIDとAPI認証コードを取得してBカート管理画面に入力する。与信枠チェックはAPI経由で自動実行されるが、受注確定は「確定済に変更」ボタンの手動操作が必要。注意すべきは、一度「確定済」にするとキャンセルできない点だ。金額変更やキャンセルは「未確定」ステータスのうちに処理する運用が求められる。

クロネコ掛け払いは加盟店コードとパスワードを入力して連携する。注文内容が自動で請求情報として送信され、審査結果の通知メールも自動送信される。出荷登録時に送り状番号を入力すると売上確定される仕組みで、ヤマト運輸の配送と連動したオペレーションが組める。消費税設定をBカート側とクロネコ掛け払い側で統一しておかないと二重課税が発生する罠があるため、初期設定時に必ず確認しておきたい。

自社に合ったサービスの選び方

ここまでの比較を踏まえて、企業タイプ別の推奨を示す。

  1. 月商300万円以下+運用のシンプルさ重視。Bカート掛け払いを第一候補に。管理画面が一つで済み、月額0円から始められる。インボイス制度と電子帳簿保存法に標準対応。
  2. 個人事業主・一人親方が取引先に多い。NP掛け払い一択。累計100万社超の与信データで個人事業主への通過率が業界最高。建設資材・内装材・工具類の卸売業に最適。
  3. 1件あたりの注文単価が50万円超。Paid。与信限度額が最大5,000万円と突出。産業機械・電子部品・化学品の商社向け。月額固定費0円のプランあり。
  4. ヤマト運輸を日常的に使う。クロネコ掛け払いで物流と決済を一体管理。出荷登録と売上確定の連動で倉庫連携ミスを減らせる。請求書発行費0円で年間数十万円のコスト削減効果。

4つのうち1つだけ選ぶなら、Bカート掛け払いから始めるのが無難だ。理由は3つある。連携設定が最も簡単なこと、月商100万円以下なら月額0円で使えること、そして他サービスにはない売上確定基準日の選択機能があること。月商が伸びてきた段階で、取引先の属性に応じてNP掛け払いやPaidを併用する「ハイブリッド運用」に移行すればいい。Bカートでは会員ごとに利用可能な決済方法を制御できるため、新規取引先にはBカート掛け払い、大口取引先にはPaid、個人事業主にはNP掛け払いという使い分けも実現できる。

導入前に確認すべき5つのポイント

掛け払いサービスを導入する前に、以下の5点を確認しておくと失敗を防げる。

  1. 取引先の属性。法人だけなのか、個人事業主も含まれるのか。個人事業主への与信が必要ならNP掛け払い一択になる。
  2. 1件あたりの平均注文単価。10万円以下ならどのサービスでも初期与信枠に収まるが、50万円を超えるなら最初からPaidかクロネコ掛け払いを検討した方がよい。
  3. 月間の請求件数。件数が多い企業は、1件あたりの手数料や請求書発行費が積み重なる。NP掛け払いの請求書発行費(1通190〜252円)は月200件で4万円以上、年間50万円規模になる。
  4. インボイス制度への対応。NP掛け払いとBカートの連携ではインボイス対応に制約がある。取引先が適格請求書を求める場合は、Bカート掛け払いかPaidを選ぶのが安全。
  5. 精算サイクル。Bカート掛け払いは売上確定翌月末、NP掛け払いは月末締め翌々月10日が標準。資金繰りがタイトな企業はサイト短縮オプションの有無を確認しておく。

よくある質問

どのサービスから試すのが無難ですか

Bカート掛け払いを第一候補に。管理画面が一つで済む運用のシンプルさと、月商100万円以下なら月額0円で始められる手軽さは他にありません。月商が伸びてきた段階で取引先属性に応じてNP掛け払いやPaidを併用する方針が現実的です。

個人事業主が取引先に多い場合は?

NP掛け払い一択です。累計100万社超の与信データで個人事業主への審査通過率が業界最高。建設業や内装業など職人が発注者の業態で強みを発揮します。

1件あたりの注文単価が高い業態は?

Paidが最適です。与信限度額が1取引先あたり最大1,000万円、全体で最大5,000万円と突出。産業機械や電子部品の商社など、大口取引が中心の業態に向きます。

請求書発行費を抑えたい場合は?

クロネコ掛け払いを検討してください。請求書の発行・郵送費が0円です。月200通の請求書を送る企業ならNP掛け払い(1通190〜252円)と比較して年間50万円規模のコスト差が出ます。

インボイス制度への対応は大丈夫ですか

Bカート掛け払いとPaidはインボイス制度・電子帳簿保存法に標準対応しています。NP掛け払いはBカート連携時に税計算方式の制約があり、適格請求書の要件を満たせないケースが報告されています。取引先が適格請求書を求める場合は前者を選択してください。

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