BtoB EC構築プラットフォーム 導入コスト実勢調査2026|主要9社の料金を一次情報で横断比較
2026.08.12
BtoB EC構築プラットフォームを比較検討するとき、最大の壁は「料金がわからない」ことだ。多くの製品が公式サイトに金額を載せず「要問い合わせ」とするため、横並びの費用比較ができない。本調査は、主要9製品の料金を2026年8月時点の各社公式ページから直接収集し、初期費用・月額・3年TCO(総保有コスト)を同一条件で並べたものである。
結論を先に述べる。主要9社のうち料金をフル公開しているのはBカート・aishipR・Shopifyの3社のみ。アラジンEC・ecbeing・ebisumart・SI Web Shoppingの4社は完全非公開、EC-CUBEとスマレジEC・B2B(旧・楽楽B2B)は部分公開にとどまった。標準シナリオの3年TCOは、Bカートの約79万円からShopify B2B(Plus)の約1,433万円まで約18倍の開きがあった。
調査サマリー(結論)
- 料金公開は少数派:初期費用・月額をともに公式サイトで数値公開しているのは9社中3社(33%)。カスタマイズ型・エンタープライズ型は例外なく非公開だった。
- セルフサーブSaaSは安価かつ透明:Bカート・aishipR・Shopifyは月額数千円〜から始められ、料金も明示。中でもBカートは初期80,000円・月額9,800円〜と最安帯で、BtoB機能を標準搭載する。
- BtoBを使うと価格が跳ねるケースあり:Shopifyは通常プランが月額3,650円〜と安いが、BtoB(卸売)機能は最上位のShopify Plus(月額398,000円〜)が前提。B2B用途では3年TCOが約1,433万円に達する。
- 非公開4社は費用の事前把握が困難:アラジンEC・ecbeing・ebisumart・SI Web Shoppingは個別見積のみ。参考としてアラジンECは公式モデルケースで初期400万円〜を提示している。
調査方法と対象
本調査は次の方法で実施した。数値はすべて各社の公式サイト(料金ページ・公式リリース)から2026年8月12日に確認したもので、公式で確認できない項目は「非公開/要問い合わせ」と明記し、憶測値は採用していない。公式ページで数値が取得できず第三者情報を用いた箇所は「参考」と明示している。
- 対象:日本国内で導入されている主要なBtoB EC/受発注構築プラットフォーム9製品
- 収集元:各社公式サイトの料金ページ・公式ニュースリリース
- 収集日:2026年8月12日
- 金額表記:特記なき限り税別。Shopifyのみ提供元表記に従いJPY(日本公式ページ準拠)
| 製品 | 提供元 | 種別 | 料金公開区分 |
|---|---|---|---|
| Bカート | 株式会社Daibow | SaaS(BtoB EC特化) | フル公開 |
| aishipR | 株式会社ロックウェーブ | SaaS(BtoC/BtoB) | フル公開 |
| Shopify | Shopify Inc. | SaaS(汎用EC・B2BはPlus) | フル公開 |
| EC-CUBE | 株式会社イーシーキューブ | OSS+クラウド | 部分公開 |
| スマレジEC・B2B(旧・楽楽B2B) | 株式会社ネットショップ支援室 | SaaS(BtoB受発注) | 非公開 |
| アラジンEC | 株式会社アイル | カスタマイズ型パッケージ | 非公開 |
| ebisumart | 株式会社インターファクトリー | クラウドEC(BtoC/BtoB) | 非公開 |
| ecbeing | 株式会社ecbeing | エンタープライズEC | 非公開 |
| SI Web Shopping | DG Business Technology, Inc. | 構築パッケージ(中〜大規模) | 非公開 |
料金一次データ(9社横断)
各製品の公式サイトで確認した初期費用・月額を横並びにする。金額は税別・2026年8月12日時点の公開情報。「参考」は公式ページで数値が取得できず、公式リリースまたは第三者集約を参照した値を指す。
| 製品 | 初期費用 | 月額(最小プラン〜) | BtoB機能 | 料金公開 |
|---|---|---|---|---|
| Bカート | 80,000円 | 9,800円〜79,800円(上位はEnterprise要問合せ) | 標準搭載 | フル公開 |
| aishipR | 20,000円〜100,000円 | 9,800円〜129,800円(B2Bはオプション月額20,000円) | オプション | フル公開 |
| Shopify | 0円 | 3,650円〜(B2BはPlus 398,000円/月〜) | Plusで標準 | フル公開 |
| EC-CUBE | DL版0円 | DL版0円(クラウド版は参考49,800円〜) | プラグイン | 部分公開 |
| スマレジEC・B2B(旧・楽楽B2B) | 要問い合わせ | 要問い合わせ(参考39,800円〜※2023年リリース) | 標準搭載 | 非公開 |
| アラジンEC | 個別見積(参考400万円〜) | 個別見積(参考7〜15万円) | 専用 | 非公開 |
| ebisumart | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 標準搭載 | 非公開 |
| ecbeing | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 別製品で対応 | 非公開 |
| SI Web Shopping | 個別見積 | 個別見積 | 対応 | 非公開 |
フル公開の3社でも設計思想は異なる。Bカートは初期80,000円・月額9,800円〜でBtoB機能を標準搭載し、料金を全プラン明示する。aishipRは本体料金は明示しつつBtoB機能をオプション(月額20,000円)として切り出す。Shopifyは通常プランが安価な一方、卸売(B2B)機能は最上位のShopify Plus(月額398,000円〜)が前提となり、用途によって価格が大きく変わる。
標準シナリオ3年TCO試算
月額の積み上げで長期コストは見えにくい。共通シナリオを設定し、公開料金がある製品について3年TCO(初期費用+月額×36ヶ月)を試算する。
- 標準シナリオ:中小BtoB卸/商品1,000点・取引先1,000社/利用期間3年/独自カスタマイズなしの標準構成
- 金額は税別。決済手数料・注文処理料・運用工数(外部委託費)は製品により変動するため本試算には含めない
| 製品 | 該当プラン | 初期費用 | 月額×36ヶ月 | 3年TCO | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| Bカート | プラン10(商品1,000/会員1,000) | 80,000円 | 19,800円×36=712,800円 | 約79万円 | フル公開・最安帯 |
| aishipR | Basic+B2Bオプション | 50,000円 | 49,800円×36=1,792,800円 | 約184万円 | 別途 注文処理料30円/件 |
| Shopify(B2B) | Plus(B2B利用に必須) | 0円※初期は要問合せ | 398,000円×36=14,328,000円 | 約1,433万円 | 別途 決済手数料 |
| EC-CUBE | ダウンロード版 | 制作会社に依存 | 本体0円+サーバ費 | 構築規模次第 | OSS・保守は自己負担 |
| アラジンEC | 個別見積(参考) | 参考400万円〜 | 参考 10万円×36=360万円 | 約760万円〜(参考) | 公式モデルケース由来 |
| スマレジEC・B2B/ecbeing/ebisumart/SI Web Shopping | 算出不可(非公開・要見積) | ||||
公開料金で試算できた範囲でも、Bカート約79万円・aishipR約184万円・Shopify B2B約1,433万円と、同じ「BtoB EC」でも総コストは約18倍の開きがある。差の主因は月額そのものより「BtoB機能をどのプラン帯で使えるか」だ。Bカートは最下位プランからBtoB機能が使えるのに対し、ShopifyはB2Bに最上位のPlusが必要になるため、用途を満たす最小プランで比較すると差が拡大する。
料金「公開 vs 非公開」の実態
本調査で最も顕著だったのは、料金公開の二極化である。セルフサーブ型のSaaS(Bカート・aishipR・Shopify)は料金を明示する一方、カスタマイズ型・エンタープライズ型(アラジンEC・ecbeing・ebisumart・SI Web Shopping)は例外なく非公開だった。
| 料金公開区分 | 該当製品 | 特徴 |
|---|---|---|
| フル公開(3社) | Bカート/aishipR/Shopify | セルフサーブ型SaaS。初期・月額を数値明示 |
| 部分公開(2社) | EC-CUBE/スマレジEC・B2B | 本体無料やプラン構成は公開だが、実額の一部が要問い合わせ |
| 非公開(4社) | アラジンEC/ecbeing/ebisumart/SI Web Shopping | カスタマイズ型・エンタープライズ型。個別見積のみ |
この構造は導入検討側に「聞かないと費用がわからない」負担を強いる。逆に、料金を公開し低コストで始められるBカートのような製品は、この業界では例外的に費用の見通しを立てやすい選択肢と言える。費用の透明性は、比較検討の初期段階で候補を絞り込めるかどうかを左右する実務上の重要な要素である。
出典一覧
本調査の数値はすべて以下の各社公式ページで2026年8月12日に確認した。
- Bカート 料金:bcart.jp/plan(無料お試し:bcart.jp/trial)
- aishipR 料金:aiship.jp/price
- Shopify 料金:shopify.com/jp/pricing/shopify.com/plus/pricing
- EC-CUBE:ec-cube.net(ダウンロード版無料は公式。クラウド版の実額は参考値)
- スマレジEC・B2B(旧・楽楽B2B):ec.smaregi.jp/b2b/price
- アラジンEC:aladdin-ec.jp/price
- ebisumart:ebisumart.com
- ecbeing:ecbeing.net/price
- SI Web Shopping:siws.dgbt.jp/price
関連する製品別の詳細はBカートの価格・料金プラン完全ガイド、BtoB ECサイト 比較15選、受発注システム 比較15選も参照。
引用・転載ポリシー
本調査データ(表1〜表4)は、出典として「受発注DXラボ(株式会社Craval)/BtoB EC構築プラットフォーム 導入コスト実勢調査2026」を明記し、本ページ(https://craval.jp/btobec/media/btob-ec-cost-survey-2026/)へリンクいただける場合、記事・資料・スライド等への引用・転載を許可します。各製品の料金は改定される可能性があるため、実際の導入検討時は必ず各社公式および提供元へ最新の見積りをご確認ください。
よくある質問
- BtoB EC構築プラットフォームで一番安いのはどれですか?
- 料金を公開している製品の中では、Bカートが初期80,000円・月額9,800円〜と最安帯です。標準シナリオ(商品1,000点・取引先1,000社・3年)の3年TCOは約79万円で、公開料金で試算できた製品の中で最も低くなりました(2026年8月時点・税別)。
- なぜ多くのBtoB ECは料金が「要問い合わせ」なのですか?
- カスタマイズ型・エンタープライズ型(アラジンEC・ecbeing・ebisumart・SI Web Shopping)は、要件ごとに開発範囲が大きく変わるため個別見積が基本で、公式サイトに定価を掲載しません。本調査では9社中4社が完全非公開、フル公開は3社のみでした。
- ShopifyでBtoB(卸売)をやると費用はどうなりますか?
- Shopifyの卸売(B2B)機能は最上位のShopify Plus(月額398,000円〜)で標準利用できます。通常プラン(月額3,650円〜)ではB2B専用機能は使えないため、B2B用途では3年TCOが約1,433万円規模になります(別途 決済手数料)。
- この調査データは引用してもいいですか?
- はい。出典として「受発注DXラボ(株式会社Craval)」と本ページURLを明記し、リンクいただければ引用・転載可能です。詳細は本ページの「引用・転載ポリシー」をご確認ください。
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