比較・総論

BtoB ECサイトの事例9選|業種別に効果を解説

BtoB ECサイトの事例9選|業種別に効果を解説

BtoB ECサイトの構築を検討するとき、最も参考になるのが「同じ業種の会社が、どんなサイトを作り、何が変わったか」という具体的な事例です。ただ、ネット上の情報は効果の数字だけが独り歩きしがちで、どのプラットフォームでどう実現したのかまでは見えにくいのが実情です。

本記事では、実在するBtoB ECサイトの事例を業種別に9社整理し、使ったプラットフォーム・課題・導入効果をセットで紹介します。事例に共通する成功パターンと、自社に合うBtoB ECの選び方まで押さえれば、導入判断の解像度が一気に上がります。

BtoB ECサイトの事例を見る前に|3つの視点

事例を「すごい」で終わらせず自社に活かすには、次の3つの視点で読むのがおすすめです。

① 何を解決したか

受注工数/売上/ミス削減のどれが主目的か

  • 自社の課題と照合

② どう作ったか

SaaS型かフルカスタム型か

  • 予算・期間の目安になる

③ 業種の近さ

掛率・SKU・掛売りの要件が近いか

  • 再現性を判断
BtoB EC事例を読む3つの視点

以下では業種別に事例を紹介します。効果の数値や社名は各社・各ベンダーが公開している情報にもとづきます。

【食品・卸売】BtoB ECサイト事例

取引先が多く、電話・FAX注文が集中しやすい食品・卸売は、BtoB EC化の効果が出やすい代表的な業種です。

企業(業種)プラットフォーム課題取り組み・効果
豊洲漁商産直市場(水産・食品卸)Bカート電話・FAX受注に依存スマホから発注できるようにし、客単価1.2倍・売上全体1.5倍(Bカート公式の導入事例より)
豊通食料(食品卸)ecbeing営業からの注文依頼がメール・口頭・紙に分散商品プール・在庫キープ・PDF出力で効率化
ミドリ安全(安全衛生用品メーカー)ecbeing取引先ごとの最適化が困難取引先ごとにサイトをカスタマイズし、リピート率7割超(ecbeing公式の導入事例より)

豊洲漁商産直市場は、電話・FAXでは受けきれなかった注文に対応できるようになり、Bカート公式の導入事例で客単価1.2倍・売上全体1.5倍と紹介されています。ミドリ安全は、取引先ごとにサイトをカスタマイズし、ecbeing公式の導入事例でリピート率が7割を超えていると紹介されています。いずれも各社公式の事例紹介での数字で、対象期間や集計条件は各事例ページで確認してください。BtoB ECは「受注業務を減らす」だけでなく、「これまで取りこぼしていた注文を拾う」売上面の狙いも持ちます。効果を比較する際は、各事例の対象期間と集計条件を確認してください。

【製造・機械・電子機器】BtoB ECサイト事例

部品点数が多く、代理店・二次卸を経由する製造・機械・電子機器は、大規模なカスタマイズ型で構築される事例が中心です。

企業(業種)プラットフォーム課題導入効果
ヤンマーエネルギーシステム(エネルギーシステム)ecbeing全国の支社・支店に分散していたサービスパーツの受発注受発注を本社に集約し自動化
オーディオテクニカ(電子機器)ecbeing電話・FAX・メール受注と手入力見積承認フロー・分納対応・問い合わせ対応の自動化で受注を効率化
因幡電機産業(電機・電子部品卸)ecbeing二次卸・工事店への展開代理店専用管理画面でBtoBtoBを実現

この領域は「代理店専用画面」「拠点に分散した受発注の集約」「基幹連携」など、業務ごとの作り込みが必要になりやすく、フルカスタム型のecbeingが多く採用されています。逆に言えば、こうした複雑な要件があるからこそ大規模投資が正当化される、という読み方ができます。

【アパレル・生活雑貨】BtoB ECサイト事例

色・サイズ別(SKU)の商品が多く、展示会での受注が中心のアパレル・生活雑貨も、BtoB ECと相性の良い業種です。

企業(業種)プラットフォーム課題導入効果
志成販売(インテリア・生活雑貨卸)Bカート紙カタログ+電話FAX受注・入力ミス掛率自動適用で受注負担を軽減、レビュー連携で新規増
ゲストリスト(アパレル卸)アラジンEC展示会オーダーがFAX中心FAX受注を100%移行、1週間の受注業務がゼロに
フランスベッド(家具インテリアメーカー)アラジンEC販売子会社からのFAX注文の処理負担販売子会社からのFAX注文の約80%をEC化、受注業務を月45時間削減

志成販売は、取引先ごとの掛率の自動適用や商品表示の出し分けを標準機能で実現し、営業担当が企画・販促などのコア業務に集中できるようになりました。SaaS型のBカートでも、アパレル・雑貨卸のBtoB特有の商習慣に十分対応できることを示す事例です。

事例に共通する成功パターン

9社の事例を横断すると、効果は大きく3つのパターンに集約されます。自社がどれを主目的にするかを先に決めると、要件がぶれません。

01

受注工数の削減

電話・FAX受注をWebへ移行。展示会の受注業務がゼロ、FAX注文の約80%をEC化して月45時間削減など。

02

売上機会の獲得

電話・FAXで受けきれなかった注文や時間外の注文を受け付ける。

03

ミス・属人化の解消

手入力の書き間違い・伝達漏れをなくし、担当依存の業務を標準化。

BtoB ECサイト事例に共通する3つの成功パターン

進め方の一例として、まず①受注工数の削減から入り、業務が回り始めた段階で②売上機会の獲得へ広げる順序があります。各社の実際の導入順序は、個別の公開事例で確認してください。

自社に合うBtoB ECの選び方|プラットフォーム別

事例で使われたプラットフォームは、大きく「SaaS型」と「カスタマイズ・構築型」に分かれます。自社の要件に合わせて選びましょう。

タイプ代表例向く企業費用感
SaaS型Bカート標準的な掛売り・企業別価格で足り、低コストで早く始めたい初期8万円・月額9,800円〜(税別)
カスタマイズ型パッケージアラジンEC基幹連携・業務に合わせた作り込みが必要初期400万円〜
フルカスタム構築型ecbeing大規模・代理店/二次卸・独自要件が多い個別構築費用は要見積もり(BtoB向けSaaS型ecWorksは初期300万円〜・月額10万円〜)

事例の多くは、要件がシンプルな企業ほどSaaS型で短期間に立ち上げ、複雑な要件を持つ大手ほどカスタマイズ・フルカスタム型を選んでいます。まずBカートのようなSaaSで小さく始め、事業拡大に合わせて本格構築へ移行する、という順序も現実的です。各プラットフォームの詳細はBtoB ECサイトの比較記事、Bカートの料金はBカートの料金ガイドで解説しています。

よくある質問

BtoB ECサイトの事例はどの業種が多いですか?
製造業・卸売業・食品・アパレル・電子機器など、取引先が多く従来は電話・FAX・営業訪問で受発注していた業種が中心です。共通するのは取引先ごとの掛率・価格設定、大量のSKU管理、掛売りといったBtoB特有の商習慣を持つ点で、これらをECに載せ替えて受注業務を効率化しています。自社に近い業種の事例を2〜3社選び、実現したいことを具体化するのがおすすめです。
BtoB ECサイトの事例に共通する効果は何ですか?
最も多いのが電話・FAX受注のWeb化による受注工数の削減で、展示会の受注業務がゼロになった事例や、FAX注文の約80%をEC化して受注業務を月45時間削減した事例があります。次いで電話・FAX以外でも注文を受け付ける仕組みによる売上機会の拡大、手入力ミス・伝達漏れの解消が挙がります。いずれも非効率な受発注業務をデジタルに置き換えた結果です。
どのBtoB ECサイトで作ればいいですか?
標準的な掛売り・企業別価格で足り、初期費用を抑えて短期間で始めたいならSaaS型のBカート、基幹システムとの密な連携や深いカスタマイズが必要ならecbeingやアラジンECなどの構築型が向きます。事例でも、まずSaaSで小さく始めた企業と大規模フルカスタムの企業に分かれます。自社の取引先数・必要機能・予算から逆算して選ぶのがコツです。
中小企業でもBtoB ECサイトは作れますか?
作れます。SaaS型のBカートなら初期8万円・月額9,800円〜(税別)で、取引先ごとの掛率や企業別価格といったBtoB機能を標準搭載した状態で始められます。事例の豊洲漁商産直市場や志成販売のように、中小規模の卸でも短期間で受発注をWeb化し、成果を出しています。まずは自社の受注業務のどこを効率化したいかを整理することから始めましょう。

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