NotionとHubSpotの連携|方法・料金・実装手順
2026.06.02
Notionは社内wiki・ドキュメント・タスク管理の中心として、HubSpotは顧客接点・営業データの基盤として、それぞれ多くの企業に導入されています。両者を連携させることで、HubSpotの商談情報をNotion上の案件ページに自動展開したり、Notionの社内ナレッジをHubSpotコンタクトに紐付けたりと、営業情報と社内ドキュメントをシームレスに繋げられます。
結論から言うと、Notion×HubSpotの連携は「Zapier or Makeなどの iPaaS 経由」が最短・最安で、30分の設定で運用開始できます。本記事では4つの連携方法、Zapierでの実装手順、同期データ種別、料金、ユースケース、マスタ設計、運用注意点までを実務担当者の視点で整理します。
Notion×HubSpot連携の全体像
連携の目的は大きく分けて3つあります。①営業データの社内ドキュメント化、②案件管理のNotionプロジェクト連動、③HubSpotナレッジのNotion集約です。それぞれで適切な連携方法と設計が変わります。
営業データのドキュメント化
HubSpotコンタクト→Notion
- 顧客情報をNotionDBに展開
- 社内wikiから検索可能に
案件のプロジェクト連動
HubSpot商談→Notionページ
- 商談ごとに専用ページ自動生成
- 議事録・資料を一元管理
ナレッジ集約
HubSpotKB↔Notion
- FAQ・サポート情報を共有
- カスタマーサクセス活用
用途を最初に明確化することで、過剰な連携設計を避けられます。「全データをNotionに同期する」と要件が膨らみ、NotionのAPI制限に引っかかったり、データベース構造が複雑になりすぎたりするため、対象範囲の絞り込みが重要です。
4つの連携方法
Notion×HubSpotを連携する方法は、大きく4つに分類できます。コスト・機能・実装難易度で使い分けます。
| 方法 | コスト | 実装難度 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| iPaaS(Zapier・Make) | 月額2,000〜10,000円 | 低(30分〜数時間) | ノーコード設定。標準コネクタあり |
| パートナーアプリ | 月額数千〜数万円 | 低 | HubSpotマーケットプレイス経由 |
| Notion API+HubSpot APIスクラッチ | 初期30万〜数百万円 | 高 | 独自業務フローに完全合わせ込み |
| iPaaS(Workato・Boomi) | 月額数万〜数十万円 | 中 | エンタープライズ向け。複雑な分岐対応 |
小〜中規模なら Zapier・Makeで十分なケースが多く、月額数千円のランニングコストで運用できます。エンタープライズ用途で複雑なワークフローや大量データを処理する場合は Workato等が選択肢。スクラッチ実装は「Notionの特殊な構造(ネストページ・複雑なリレーション)まで踏み込んだ独自連携」が必要なときの最後の手段です。
Zapier経由の実装手順
最も多くの企業で採用されているZapier経由の連携手順を整理します。30分〜1時間で運用開始できる最短パスです。
Zapierアカウント作成
zapier.comで登録。月額20ドル以上のStarterプランを推奨
Notion接続
NotionでInternal Integrationを作成→APIキー取得→Zapierに登録
HubSpot接続
OAuth認可でHubSpotアカウントをZapierに連携
Notionデータベース準備
同期先のNotionデータベース(顧客リスト等)を作成し、Integrationに共有
トリガー・アクション設定
「HubSpotに新規コンタクト→Notionにページ作成」等を定義
フィールドマッピング
HubSpotプロパティとNotionデータベースの列を対応付け
テスト&有効化
サンプルデータでテスト→Zap有効化→運用開始
初期設定後は完全自動。ZapierがHubSpot/Notionのデータ変更を検知し、自動的にもう片方に反映します。Notion APIには「Integrationに共有されたデータベースしか操作できない」制約があるため、対象データベースをIntegrationに明示的に共有する手順を忘れないことが重要です。
同期できるデータ種別とマッピング
NotionとHubSpotで同期される代表的なデータと、フィールドマッピング例を整理します。
| HubSpot | Notionデータベース例 | マッピング例 |
|---|---|---|
| コンタクト | 顧客リスト | Email→メール列、FirstName/LastName→姓名列 |
| 企業 | 取引先リスト | Company Name→社名列、Domain→URL列 |
| 取引(Deal) | 案件管理DB+詳細ページ | Deal Name→案件名、Stage→ステータス、詳細→ページ本文 |
| 活動(Activity) | 営業活動ログDB | Type→活動種別、Date→日付、Note→メモ列 |
| チケット | サポートDB | Subject→件名、Priority→優先度、Status→ステータス |
| カスタムプロパティ | カスタム列 | 任意マッピング |
マッピング設計で気を付けるべきは「Notion列の型」と「ページ本文への展開可否」です。Notionの列はSelect・Multi-Select・Date・Person等の型があり、HubSpot側の値と互換性を確認する必要があります。また商談詳細などはNotionの「ページ本文」に展開できると活用しやすいですが、Zapier標準では構造化テキストの自動生成に制約があります。
料金とランニングコスト試算
Notion×HubSpotの連携で発生する月額コストを、典型的なケースで試算します。
| 規模 | Notion | HubSpot | 連携ツール | 合計/月 |
|---|---|---|---|---|
| 小規模(5名) | 5,000円(Plus) | 0円(Free) | Zapier 2,400円 | 約7,400円 |
| 中規模(20名) | 40,000円(Business) | 2万円(Starter) | Zapier 6,000円 | 約6.6万円 |
| 大規模(100名) | 200,000円(Business) | 10万円(Pro) | Make 12,000円 | 約31万円 |
| エンタープライズ | 個別見積 | 120万円〜(Enterprise) | Workato 数万円 | 200万円〜 |
Notionは座席課金、HubSpotはコンタクト数+機能階層の二段階課金が主軸です。連携ツールのコストは全体の5〜10%程度で、メインコストはNotion・HubSpot本体のライセンスです。中規模以上では月額60万〜100万円超になるため、ROIを試算してから本格運用に入るのが安全です。
よくあるユースケース3パターン
実際に多く採用されているNotion×HubSpot連携のユースケースを3パターン紹介します。
パターンA:商談ごとの案件ページ自動生成
HubSpot商談→Notion(片方向)
- HubSpotで商談作成
- Notion「案件管理DB」に専用ページ自動生成
- 議事録・資料・タスクを集約
パターンB:顧客wikiの構築
HubSpotコンタクト→Notion
- HubSpotから顧客情報を自動同期
- Notionに顧客wiki形式でドキュメント化
- 誰でも検索・参照できる構造
パターンC:タスク→活動履歴連携
Notion↔HubSpot
- Notionタスクで営業ToDo管理
- 完了時にHubSpot活動履歴に転記
- 営業活動量を可視化
新規導入する場合はパターンAから始めるのが最も成功しやすいです。商談という明確な単位を起点に、対象データが限定的で業務効果が見えやすいため、関係者の合意を取りやすい構造です。慣れてからパターンB・Cに拡張する流れが現実的です。
マスタ・同期方向の設計
Notion×HubSpot連携の設計で重要なのは「Notionをドキュメント/HubSpotを構造化データのマスタ」と役割を分けることです。Notionに顧客マスタを置くのは推奨できません。
Q:マスタはどちらにすべきか?
構造化された顧客データを扱う
→ HubSpotをマスタ、Notionは閲覧用ミラー
議事録・案件ドキュメントを扱う
→ Notionをマスタ、HubSpotには要約のみ転記
タスク・ToDoを管理する
→ どちらかに統一。混在はNG
FAQ・ナレッジを管理する
→ Notionをマスタ、HubSpotから参照リンク
原則として「双方向更新」は避け、データ種別ごとに役割分担するパターン(コンタクト=HubSpot、ドキュメント=Notion)が、最も運用が安定する構造です。両側で同じ項目を編集できる設計にすると、更新タイミングのズレや競合で不整合が起こりやすくなります。
運用上の注意点
Notion×HubSpot連携を本番運用する際に必ず気を付けるべきポイントを整理します。
| 注意点 | 典型的な問題 | 対策 |
|---|---|---|
| Notion API制限 | 毎秒3リクエスト超で429エラー | バッチ処理で間隔を空ける |
| Integrationの権限 | 新DBがIntegrationに未共有で連携失敗 | 運用ルールで共有を明文化 |
| Notion列型の不一致 | HubSpotの値がNotion型に合わずエラー | マッピング時に型変換ロジック追加 |
| 削除データの扱い | HubSpot削除がNotionに反映されない | 論理削除フラグまたは定期棚卸 |
| ページ本文の構造 | Markdown→Notionブロック変換の制約 | シンプルな構造で運用 |
| 権限管理 | Notionページが想定外の人に共有される | Integration範囲とワークスペース設計 |
HubSpot関連の他連携記事として kintone×HubSpot連携ガイド、Salesforce×HubSpot連携ガイド、Sansan×HubSpot連携ガイド も参考になります。BtoB EC側の選定軸は BtoB ECサイト比較 で整理しています。公式ドキュメントは Notion API Reference および HubSpot Developers で最新情報を確認できます。
よくある質問
- NotionとHubSpotは標準で連携できますか?
- 標準では公式の双方向連携機能は提供されていません。連携を実現するには①iPaaS(Zapier・Make・Workato等)の利用、②Notion公式API+HubSpot APIをスクラッチ実装、③HubSpotマーケットプレイスのパートナーアプリ利用、の3パターンになります。最も簡単なのはZapier経由で、設定30分で運用開始できます。
- NotionとHubSpotの連携で何を同期できますか?
- ①HubSpotコンタクト→Notionデータベース(営業リスト管理)、②HubSpot商談→Notionプロジェクトページ(案件ドキュメント管理)、③Notionタスク→HubSpotタスク(営業活動管理)、④HubSpotナレッジ→Notionドキュメント、が主な対象です。Notionは社内ドキュメント・タスク管理の役割で、HubSpotの営業データを社内wikiと連携させるユースケースが多いです。
- Notion×HubSpot連携の料金は?
- Notion本体は無料プランからあり、有償プラン(Plus月額8ドル/ユーザー、Business月額15ドル/ユーザー)が標準。HubSpotはFreeプランから始められます。連携ツールはZapier Starter(月額20ドル〜)またはMake Core(月額9ドル〜)が一般的です。中規模(10名)で月額3〜5万円が運用コストの目安です。
- ZapierでNotion×HubSpotを連携する手順は?
- ①Zapierアカウント作成、②NotionとHubSpotの各コネクタを接続(NotionはAPIキー、HubSpotはOAuth)、③トリガー設定(「HubSpotに新規コンタクト」「Notionに新規ページ」等)、④アクション設定、⑤フィールドマッピング、⑥テスト→Zap有効化、の手順です。設定30分〜1時間で運用開始できます。
- NotionとHubSpot連携で気を付けるべきは?
- ①Notion APIの呼出回数制限(毎秒3リクエスト)、②データベースの構造変更時のマッピング更新、③Notion個人ユーザーとHubSpotオーナーの紐付け設計、④削除データの扱い、⑤Notion側ページの全文検索/権限管理との整合性、の5点です。Notionはドキュメント管理ツールのため、構造化データの厳密性ではHubSpotに劣る前提で設計することが重要です。
Notion×HubSpot連携の設計・実装相談
クラバルはNotion・HubSpot・各種iPaaS(Zapier・Make・Workato)の連携設計と実装を支援しています。マスタ設計、Notionデータベース構造の設計、フィールドマッピング、API制限を考慮したバッチ運用設計まで含めた一気通貫の支援が可能です。お気軽にご相談ください。
無料相談する