連携ガイド

kintoneとHubSpotの連携|方法・料金・実装手順

kintoneとHubSpotの連携|方法・料金・実装手順

kintoneとHubSpotは、それぞれ社内業務・営業活動を支える基盤として広く使われています。両者を連携させることで、コンタクト・企業・取引情報を一元化でき、データ二重入力や転記ミスを排除できます。一方で、公式アプリ・iPaaS・独自実装のどれから手を付けるか迷う担当者も少なくありません。

結論から言うと、まず確認すべきはHubSpotがApp Marketplaceで提供しているkintone向けData Syncアプリです。Operations Hub Starter以上で、コンタクト・会社などのデータを一方向または双方向に同期できます。要件に合わない場合は、iPaaS、API、スクラッチ実装を検討します。本記事では4つの連携方法、Zapierでの実装手順、同期データ種別、料金、ユースケース、マスタ設計、運用注意点までを実務担当者の視点で整理します。

kintone×HubSpot連携の全体像

連携の目的は大きく分けて3つあります。①営業データの一元化、②社内業務との連動、③レポート統合です。それぞれで適切な連携方法と設計が変わります。

営業データ一元化

コンタクト・企業情報の同期

  • HubSpot⇔kintone双方向
  • 重複防止が肝

社内業務との連動

受注・請求・案件管理

  • HubSpot→kintone片方向
  • 受注後の社内処理

レポート統合

分析・経営ダッシュボード

  • 両方→BIツール
  • または片方に集約
図1:kintone×HubSpot連携の3目的

用途を最初に明確化することで、過剰な連携設計を避けられます。「とりあえず全部同期する」と要件が膨らみ、運用が破綻するパターンが多いです。

4つの連携方法

連携方法は、公式アプリ、iPaaS、kintoneプラグイン、スクラッチ実装の4種類に整理できます。iPaaSにはZapier・Make・Workato・Boomiなどがあります。コスト・機能・実装難易度で使い分けます。

方法コスト実装難度主な特徴
HubSpot公式kintoneアプリ(Data Sync)Operations Hub Starter以上の契約が必要低HubSpot提供。一方向・双方向同期、初期同期、標準フィールドマッピング
iPaaS(Zapier・Make・Workato・Boomi等)製品・プラン・処理件数・実行頻度による低〜中ノーコード設定。Workato・Boomiは複雑な分岐や大量処理を想定した製品
kintoneプラグイン製品・プラン・処理件数による低〜中krewData・gusuku Customineなど
スクラッチ実装開発範囲による個別見積高両APIを直接呼ぶ。最も自由度が高い
表1:kintone×HubSpot連携の4方法

Operations Hub Starter以上を契約している、または契約を検討できるなら、まず公式アプリで要件を満たせるかを確認します。公式アプリで足りない場合、小〜中規模なら Zapier・Makeが候補になります。連携ツールの費用は、製品、契約プラン、処理件数、実行頻度によって異なります。対象データと同期頻度を決め、各社の料金表または見積もりで比較してください。エンタープライズ用途で複雑なワークフロー・大量データを処理する場合は Workato等が選択肢。スクラッチ実装は「両ツールの内部仕様まで踏み込んだ独自連携」が必要なときの最後の手段です。

Zapier経由の実装手順

iPaaSの代表例として、Zapier経由の連携手順を整理します。

Zapierアカウント作成

zapier.comで無料登録。有償プランの名称・料金は公式料金ページで確認

kintoneコネクタ接続

kintoneアプリのAPIトークンを発行→Zapierに登録

HubSpotコネクタ接続

OAuth認可でHubSpotアカウントをZapierに連携

トリガー設定

「kintoneにレコード追加されたら」「HubSpotにコンタクト追加されたら」等

アクション設定

「HubSpotにコンタクト作成」「kintoneにレコード追加」等

フィールドマッピング

kintoneとHubSpotの項目を画面上でドラッグ&ドロップ対応

テスト&有効化

サンプルデータでテスト→Zap有効化→運用開始

図2:Zapier経由の連携手順

Zapier等のiPaaSでは、ノーコードで連携フローを構成できます。設定・検証に必要な時間は、対象データとマッピングの複雑さに応じて見積もってください。

同期できるデータ種別とマッピング

kintoneとHubSpotで同期対象の候補となるデータと、フィールドマッピング例を整理します。公式アプリでは、少なくともコンタクト、会社、取引の同期が案内されています。活動履歴、チケット、カスタム項目は、契約プランと対象アプリの最新対応表を確認してください。

HubSpotkintoneアプリ例マッピング例
コンタクト顧客マスタEmail→メール、FirstName/LastName→姓名
企業取引先マスタCompany Name→社名、Domain→URL
取引(Deal)案件管理Deal Name→案件名、Amount→金額、Stage→ステージ
活動(Activity)営業活動履歴Type→活動種別、Date→日時、Note→内容
チケットサポート管理Subject→件名、Priority→優先度、Status→ステータス
カスタムプロパティカスタムフィールド任意マッピング
表2:主要データのマッピング例

マッピング設計で気を付けるべきは「型違い」と「キー設計」です。文字列・数値・選択肢の型不一致で同期失敗が起こります。両システムのレコードを対応付けるキーには、変更されにくいIDを管理して使います。メールアドレスの変更は、既存レコードの更新として扱います。

料金とランニングコストの考え方

連携費用は、kintoneの契約、HubSpotの製品・席数・コンタクト数、連携ツールのタスク量で変動します。公式見積・料金ページを基に、自社の対象件数と同期頻度で試算してください。

HubSpot公式のkintoneアプリを使う場合は、Operations Hub Starter以上の契約が前提です。Zapierの無料プランは月100タスク、ポーリング型トリガーは15分間隔です。現行のProfessionalプランは月額19.99米ドルからです。プラン名・料金・タスク上限は改定されるため、Zapierの公式料金ページで確認してください。

メインのコストはkintone・HubSpot本体のライセンスになりやすいため、ROIを試算してから本格運用に入るのが安全です。

よくあるユースケース3パターン

実際に多く採用されている連携のユースケースを3パターン紹介します。

パターンA:受注後の自動転記

HubSpot→kintone(片方向)

  • HubSpot で受注確定
  • kintone「案件管理」アプリに自動作成
  • 社内処理(請求・納品)開始

パターンB:顧客マスタ統合

HubSpot⇔kintone(双方向)

  • HubSpot: 新規問合せ→コンタクト
  • kintone: 既存顧客マスタ
  • 共通IDで重複防止しながら統合

パターンC:日報からCRM自動更新

kintone→HubSpot(片方向)

  • 営業がkintone日報アプリに入力
  • 関連顧客のHubSpotコンタクトに自動転記
  • 活動履歴がCRMに蓄積
図3:代表的なユースケース3パターン

受注後の社内処理が目的なら、対象を絞った片方向同期(パターンA)が候補になります。対象データが明確で、業務効果が見えやすいため、関係者の合意を取りやすい構造です。両側での更新が必要になった場合は、項目ごとの更新元と競合時の処理を決めたうえで双方向(パターンB)を設計します。

マスタ・同期方向の設計

連携設計の最大のポイントは「どちらをマスタにするか」「双方向 or 片方向か」の決定です。これを曖昧にすると運用後にデータ不整合の温床になります。

Q:マスタはどちらにすべきか?

営業起点・問合せフォームがHubSpot

→ HubSpotをマスタ、kintoneは社内処理用

既存顧客マスタがkintoneで運用済

→ kintoneをマスタ、HubSpotは営業活動用

データ種別ごとに役割分担可能

→ コンタクト=HubSpot、案件=kintoneのように分割

どちらも編集の業務フローが必要

→ 双方向同期+更新時刻で競合解決

図4:マスタ設計の判断ツリー

まず片方向同期で要件を満たせるかを検討します。両側での更新が必要な場合は、項目ごとの更新元と競合時の処理を決めたうえで双方向同期を設計してください。運用の安定性を確保するため、データ種別ごとに更新元を決めます(例:コンタクト=HubSpot、案件詳細=kintone)。

運用上の注意点

連携を本番運用する際に必ず気を付けるべきポイントを整理します。

注意点典型的な問題対策
重複データメアド変動で同一人物が複数登録変更されにくいIDで対応付け、メアド変更は既存レコードの更新として扱う
項目型不一致文字列を数値項目に渡してエラーマッピング時に型変換を入れる
削除データの扱いHubSpot側削除がkintoneに反映されない論理削除フラグで運用統一
同時更新両側で同時編集→競合更新時刻で勝敗を決める or 片方向化
API利用上限大量同期で制限到達定期バッチで分散実行
個人情報GDPR・改正個人情報保護法対応同意取得・削除依頼への対応設計
表3:運用上の注意点6項目

kintone連携の他記事として kintone在庫管理連携ガイド も参考になります。HubSpot関連の他連携記事は本サイトで順次公開予定です。BtoB EC側の選定は BtoB ECサイト比較 も併せてご覧ください。公式APIドキュメントは HubSpot Developers および cybozu developer network で確認できます。

よくある質問

kintoneとHubSpotは標準で連携できますか?
HubSpot App Marketplaceには、HubSpot提供のkintone向けData Syncアプリがあります。Operations Hub Starter以上で、コンタクト・会社などのデータを一方向または双方向に同期できます。要件に合わない場合は、①iPaaS(Zapier・Make・Workato等)、②kintoneプラグイン(krewData・gusuku Customine等)、③スクラッチで両APIを実装、を検討します。
kintoneとHubSpotの連携で何を同期できますか?
公式アプリでは、少なくともコンタクト、会社、取引の同期が案内されています。活動履歴、チケット、カスタム項目は、契約プランと対象アプリの最新対応表を確認してください。kintone→HubSpotの方向では「顧客マスタの一括登録」、HubSpot→kintoneの方向では「商談情報を案件管理アプリに同期」などの用途が多いです。フィールドマッピングは設定時にカスタマイズします。
Zapierでkintone×HubSpotを連携する料金は?
Zapierの無料プランは月100タスク、ポーリング型トリガーは15分間隔です。現行のProfessionalプランは月額19.99米ドルからです。プラン名・料金・タスク上限は改定されるため、公式料金ページで確認してください。kintone・HubSpotのライセンスは別途必要で、費用は契約内容・席数・連携ツールのタスク量で変動します。
kintoneとHubSpotの連携で気を付けるべきは?
①フィールドマッピングの設計(型違いに注意)、②重複データ防止のためのキー設計(変更されにくいIDで両システムのレコードを対応付ける)、③同時更新時の競合処理、④削除データの扱い(物理削除 vs 論理削除)、⑤API利用上限への対応、⑥個人情報の取扱い(GDPR・改正個人情報保護法)、の6点です。事前に運用ルールを決めておくことが重要です。
kintoneとHubSpotどちらをマスタにすべき?
業務の起点側がマスタになるのが原則です。①営業活動の起点がHubSpotならHubSpotをマスタ、②社内基幹業務の起点がkintoneならkintoneをマスタ。実務では「コンタクトはHubSpot、案件詳細はkintone」のように、データ種別ごとにマスタを分けるパターンも多いです。片方向同期で要件を満たせるかを先に検討し、両側での更新が必要な場合は、項目ごとの更新元と競合時の処理を決めたうえで双方向同期を設計してください。

kintone×HubSpot連携の設計・実装相談

クラバルはkintone・HubSpot・各種iPaaS(Zapier・Make・Workato)の連携設計と実装を支援しています。マスタ・同期方向の設計、フィールドマッピング、運用ルール整備、本番監視まで含めた一気通貫の支援が可能です。お気軽にご相談ください。

無料相談する