課題解決

Excelの受注管理で転記ミスが増えたら?小規模な卸が受発注システムへ移る手順とCSVの注意点

Excelの受注管理で転記ミスが増えたら?小規模な卸が受発注システムへ移る手順とCSVの注意点

Excelの受注管理の転記ミスは届いた注文をExcelに入力し直すところと、Excelから販売管理や送り状に写すところで起こり得ます。取引先が自分で注文を入力する受発注システムに移ると、Web発注に切り替えた注文は受注担当者の入力し直しを省けます。販売管理への転記も受発注システムのCSVを販売管理の取り込み仕様に合わせられれば減らせます。まず転記している箇所を点検し、Excelで入力の仕方を絞り、そのうえで受発注システムとCSVの連携を少ない件数で試す順に進めます。

Bカート、COREC、CO-NECT、スマレジEC・B2B、MOS Lite Premiumの5製品の公式ヘルプ・料金ページと、MicrosoftのExcelのサポートページと、これまでの調査メモをもとに比べ、2026年10月21日に情報を追加で確認しました。表の「記載なし」は確認したページに書かれていないという意味です。Excelの操作は、Windows版のExcel for Microsoft 365・Excel 2016以降を対象にしたMicrosoftの説明にもとづきます。

※受発注総研は、Bカート認定パートナーとして構築・運用代行を手がける株式会社Cravalが運営しています。

この記事でわかること

  • Excelの受注管理で転記が起こる場所と、システムで減らせる作業
  • 小規模な卸向けの料金・利用条件と試し方(5製品の公式ページ)
  • Excelの一覧をCSVで取り込むときの文字コード・件数の上限・注意点
  • Excelから受発注システムへ移る手順

Excelの受注管理で転記ミスはどこで起きる?

同じ注文を人が書き写す工程で起こり得ます。まず、FAXや電話、メールで届いた注文をExcelに入力するところと、Excelから販売管理ソフトや送り状に写すところを点検します。品番の打ち間違い、数量の読み間違い、取引先ごとの単価の取り違えは、書き写す回数だけ起きる機会が増えます。

Excelのまま減らすなら、品番や取引先名をドロップダウンから選ぶようにします。Microsoftの説明では「データの入力規則」で入力値の種類を「リスト」にし、エラーメッセージの表示を有効にして「停止」を選ぶと、直接入力するときにリストにない値を拒否できます(貼り付けなどでは同じように防げない場合があります)。選択肢の一覧をテーブルにして入力規則の元の値に指定しておけば、商品を足したときにドロップダウンも自動で更新されます。ただし、届いた注文を人が入力し直す作業は残ります。

受発注システムでは、取引先が自分で注文を入力します。Web発注に切り替えた注文は卸が入力し直さずに済み、FAXや電話で残る注文は従来どおり入力します。受注データは各製品からCSVで書き出せるので、販売管理ソフトの取り込み仕様に合えば、販売管理への転記も減らせます。

小規模な卸が比べたい料金と利用条件は?

料金を公開している製品では、CORECの無料プランと月額2,980円のビジネスプラン、Bカートのライトプラン、MOS Lite Premiumのライト(どちらも月額9,800円)が候補になります。ただし、受注を処理する担当者の人数、取引先別の価格に必要な機能、販売管理との連携によって、合う製品は変わります。料金に加えて、これらの条件で比べます。

製品小規模向けの料金対象プランの登録枠・制限試し方
COREC初期費用0円。無料プラン0円、ビジネスプラン月2,980円(税抜)。受注回数は無制限無料プランは登録した1名で利用し、注文フォーム4件、出荷伝票・請求書の作成は月20件。ビジネスプランは担当者を何名でも追加でき、注文フォーム200件。商品数・取引先数の上限は料金表に記載なし無料プランで始める
Bカートライトプラン月9,800円、初期費用80,000円(初回のみ)。税別。発注企業側の承認などに使う注文承認機能は有料オプション商品500・会員50(プランは商品数と会員数で決まる)30日間の試用期間
MOS Lite Premiumライト月9,800円、初期費用0円。税別。オプション機能は1つにつき月10,000円(税別)で、取引先ごとの価格を割り当てる機能や締切時間もオプション料金表では商品1,000点・発注者100人30日間の無料体験。申込みにクレジットカードの登録が必要で、続けない場合は30日経過前に解約を申し込む
CO-NECT初期費用0円。基本料金は取引先数と月間受注数で変わる(公式ページに金額の記載なし)。契約期間は1年間で、年間一括払い記載なし無料トライアルあり(期間の記載なし)
スマレジEC・B2B料金ページに月額・初期費用の記載なし(料金表はダウンロード)Standardは有料ユーザー5人・取引先5,000件・商品10,000件を含む。商品の追加は別料金。取引先が5,000件を超える場合の条件は要確認無料トライアルの申込みあり(期間の記載なし)
表1:小規模な卸向けの料金と試し方(各社公式の料金ページ・FAQ・機能説明・トライアル案内による。「会員」「発注者」「取引先」の数え方は製品ごとに違う。MOS Lite PremiumはFAQで商品の上限を「3000点まで」と回答しており、料金表と食い違う)

取引先の費用は、CO-NECTが無料と明記し、MOS Lite Premiumは「費用は受注者のみに発生」と書いています。CORECは取引先が会員登録なしで発注でき、費用もかからないと書いています。無料の製品の詳しい比較は無料の受発注システムに、中小の卸向けの選び方は受発注システムのおすすめにまとめています。

Excelの商品一覧・取引先一覧はそのまま取り込める?

そのまま使えるかは取り込み先の仕様によります。5製品とも商品と取引先のCSVでの一括登録に対応しており、各製品が指定する項目と形式を確かめ、必要に応じて整えてからCSVで保存します。ひな形を用意している製品ではそれを使います。文字コードを指定している製品、1回に取り込める件数を決めている製品があります。

製品文字コード1回に取り込める件数ひな形・注意
BカートShift-JISのみ(UTF-8は不可と明記)商品・会員は記載なし(別配送先は3,000件程度が目安)ひな形あり(商品は必須項目だけの型もある)。項目の定義は管理画面からダウンロードする仕様書。取り込む前にエクスポートでバックアップを取るよう案内
COREC記載なし商品1,000件、取引先500件登録画面からテンプレートをダウンロード。項目名に半角カナを使うとエラー。取引先の一括ダウンロードには対応していない
CO-NECT記載なし商品・取引先とも3,000件テンプレートあり。商品の必須項目は販売タイプ・公開・商品名・税率で、商品名の完全一致で登録するため同じ名前の商品は複数登録できない。取引先の住所は1列にまとめ、登録済みの取引先をCSVで上書きすることはできない。取り込んだ取引先には発注フォームが紐づかないため、招待の前に紐づける
スマレジEC・B2BShift_JIS。Excelでは「CSV(コンマ区切り)」で保存し、「CSV UTF-8(コンマ区切り)」はエラーになると明記記載なしCSVの種類ごとに、必須項目のみ・推奨項目・すべての項目のサンプルと入力項目の一覧をダウンロードできる。エラーはアップロード履歴からログで確認
MOS Lite Premium記載なし記載なし商品と発注者をCSVで登録・更新・削除できる。ひな形は記載なし。CSVの作り方は利用開始後にシステム内のマニュアルで確認するよう案内
表2:商品・取引先のCSV取り込み(各社公式ヘルプによる)

取り込みの前に、Excelの一覧を整理します。品番や取引先コードがない行、同じ取引先が別の名前で2行ある行、住所の書き方がばらばらの行を直しておくと、ひな形に写す作業とエラーの修正が減ります。

ExcelでCSVを作るときに気をつけることは?

主な注意点は文字コードと、Excelの自動変換です。文字コードは取り込み先のヘルプの指定に合わせます。BカートとスマレジEC・B2BはShift_JISを指定しており、Excelでは「CSV(コンマ区切り)」で保存します。この形式で保存したときの文字コードはWindowsのシステムロケールで決まるため、保存後にShift_JISになっているかを確かめます。どの製品にも「CSV UTF-8」で保存すればよい、とは言えません。

CSVで保存すると、作業中のシートだけが保存され、書式は消えます(Microsoftの説明)。元のExcelファイルは残し、商品一覧と取引先一覧のように必要なシートごとにCSVで保存します。

Excelはセルの値を数字や日付と判断して自動で変換します。Bカート、COREC、CO-NECTの公式ヘルプは、次の変換に注意するよう書いています。

  • 先頭の0が消える(例:品番の001が1になる)
  • JANコードなどの長い番号が「4.9E+12」のような指数の表示になる。Microsoftによると、Excelの有効桁数は15桁で、16桁以上の数値は15桁を超える部分が0になる
  • ハイフンを含む数字が日付に変わる

防ぐには、CSVを開くときに番号の列をテキストとして読み込みます。Microsoftの手順は「データ」タブの「テキスト/CSVから」を選び、プレビューの画面で「編集」を押して「クエリ エディター」を開き、番号の列のデータ型を「テキスト」に変えて「現在を置換」を選び、最後に「閉じて読み込む」です。手元のExcelの一覧からCSVを作る場合は、品番などの列を元の資料と照らし合わせてからCSVにします。すでに消えた0や桁は、文字列に設定し直しても戻らないため、元の資料から直します。これから番号を入力する列は、先に文字列に設定しておきます。CO-NECTのヘルプは0埋めの数字を文字列として保存したら、すぐに取り込むよう勧めています。

保存したあとは、文字コードと区切り文字が取り込み先の指定に合っているかを確かめます。CSVの保存のされ方は、Excelの版や地域の設定によって変わることがあります。

もう1つ、列の数が合わないエラーに注意します。Bカートのヘルプは、末尾の空白のセルが余分なカンマとして残り「項目数が違います。」のエラーになる例を挙げています。保存したCSVの列の数が、ひな形と同じかを確かめます。

受注データは販売管理やExcelに戻せる?

5製品とも受注データをCSVで書き出せ、書き出したCSVはExcelにも読み込めます(品番などは文字列として読み込みます。元の受注台帳の書式や数式が戻るわけではありません)。販売管理ソフトに取り込めるかは、販売管理側のCSVの取り込み仕様に合わせられるかで決まります。出力する項目の選択や変更を公式に案内しているのはBカート、スマレジEC・B2B、CO-NECTで、MOS Lite PremiumはCSVのレイアウトの変更を案内しています。

  • Bカート:カスタムCSV設定で出力する項目を選ぶ。ヤマト運輸のB2用、ネクストエンジン用などの出力も用意。外部のシステムとの連携にはカスタムCSVを使うよう案内
  • スマレジEC・B2B:カスタムCSV管理で、出力する項目と順番を変える。オプション一覧では「CSV項目カスタマイズ」は初期・月額とも0円。「CSVレイアウト複製機能」などは別料金で、契約するプランへの適用は確かめる
  • CO-NECT:受注明細のCSVで出力する項目を追加・並べ替えできる。CSVの改行コードも選べる。料金ページでは「CSV出力データカスタマイズ」を標準搭載オプション機能として掲載している。契約時には見積もりに含まれる機能を確かめる
  • MOS Lite Premium:受注を確定するとCSVでダウンロードでき、CSVのレイアウトを基幹システムに合わせて変えられる
  • COREC:受注データをCSVとPDFで一括ダウンロードできる。出荷管理から送り状用のCSVも出力できる。出力項目を選べるかは記載なし

無料プランやトライアルの間に、受発注システムのCSVを販売管理に取り込み、商品・取引先・数量・単価・税・合計額が正しく入るかを照合します。試した機能が契約する予定のプランと見積もりに含まれるかも確かめます。

Excelから移る手順は?

Excelの一覧を整える、無料プランやトライアルで少しの件数を試す、一部の取引先で注文を受けてみる、残りの取引先へ広げる、の順に進めます。

01

一覧を整える

Excelの商品一覧と取引先一覧から、重複や抜けをなくし、品番と取引先コードをそろえる

02

少しの件数で試す

無料プランやトライアルで数十件を取り込み、注文フォーム・公開する商品・取引条件を設定し、受注のCSVが販売管理に正しく入るかを照合する

03

一部の取引先で始める

協力してくれる取引先に、ログイン情報や注文用のURLを案内する。Webで受けた注文はExcelに入力し直さない。同じ取引先からFAXや電話で届く注文の記録先も決め、注文番号などで重複がないかを照らし合わせる

04

残りへ広げる

試した結果と、FAXや電話で残る注文の受け方を決めてから、残りの取引先へ案内し、Excelの受注台帳への入力をやめる日を決める

図1:Excelから受発注システムへ移る4つの手順

Web発注を使わない取引先が残る場合の受け方は取引先がWeb発注を使ってくれないときに、ほかのシステムから乗り換えるときのデータの移し方はBtoB ECの乗り換えで移すデータにまとめています。

よくある質問

Excelで受注を管理していますが、小規模な卸でも使える受発注システムはありますか?
あります。料金を公開している製品では、CORECの無料プラン(登録した1名で利用)とビジネスプラン(月2,980円、税抜)、Bカートのライトプラン(月9,800円、初期費用80,000円、税別)、MOS Lite Premiumのライト(月9,800円、初期費用0円、税別。オプションは1つ月10,000円)があります。Bカートは30日間の試用期間があり、MOS Lite Premiumは30日間の無料体験(クレジットカードの登録が必要で、続けない場合は30日経過前に解約を申し込む)があります(各社公式の料金ページ・FAQ・機能説明による)。
Excelの商品一覧はそのまま取り込めますか?
そのまま使えるかは取り込み先の仕様によります。各製品が指定する項目と形式を確かめ、必要に応じて整えてからCSVで保存して取り込みます。BカートとスマレジEC・B2BはShift_JISのCSVを指定しており、スマレジEC・B2Bは「CSV UTF-8」で保存するとエラーになると書いています。1回に取り込める件数は、CORECが商品1,000件・取引先500件、CO-NECTが商品・取引先とも3,000件です。
ExcelでCSVを開くと品番の先頭の0が消えます。どうすればいいですか?
元のCSVに0が残っていれば、「データ」タブの「テキスト/CSVから」で開き直し、クエリ エディターで品番の列のデータ型を「テキスト」に変え、「現在を置換」を選んでから読み込みます。すでに0が消えた状態で保存してしまった場合は、元の一覧と照らし合わせて直します。
受注データを販売管理ソフトに渡せますか?
5製品とも受注データをCSVで書き出せます。販売管理ソフトに取り込めるかは、取り込み仕様に合わせられるかで決まります。出力する項目の選択や変更はBカート、スマレジEC・B2B、CO-NECTが、CSVのレイアウトの変更はMOS Lite Premiumが案内しています。無料プランやトライアルで取り込みを試し、数量・単価・税・合計額が正しく入るかを照合してください。

出典

  • Bカート 料金 https://bcart.jp/plan/ /注文承認機能 https://bcart.jp/functions/detail/156/ /試用期間 https://bcart.jp/trial/ /CSVとExcel https://userguide.bcart.jp/csv_xlsx/ /商品インポート https://userguide.bcart.jp/management/products/products_import/ /会員インポート https://userguide.bcart.jp/management/customer/customer_import/ /別配送先 https://userguide.bcart.jp/management/customer/customer_list/destination_csv/ /受注一覧 https://userguide.bcart.jp/management/order/order_list/ /カスタムCSV https://userguide.bcart.jp/management/conf/conf_csv_list/(2026年10月21日までに確認)
  • COREC 料金 https://corec.jp/plan/ /受注側 https://corec.jp/supplier/ /商品の一括登録 https://help.corec.jp/?p=429 /取引先の一括登録 https://help.corec.jp/?p=451 /CSVをExcelで開くとき https://help.corec.jp/?p=433 /受注データ https://help.corec.jp/?p=479 /概要 https://help.corec.jp/?p=397 /送り状用CSV https://help.corec.jp/?p=467(2026年10月21日までに確認)
  • CO-NECT 受注側 https://biz.conct.jp/supplier/ /料金 https://biz.conct.jp/supplier/lp/plan/ /無料トライアル https://biz.conct.jp/trial_request/ /商品のCSV登録 https://support.conct.jp/hc/ja/articles/900001075586 /取引先のCSV登録 https://support.conct.jp/hc/ja/articles/4417423340185 /既存データの流用 https://support.conct.jp/hc/ja/articles/12596494351641 /受注明細CSV https://support.conct.jp/hc/ja/articles/900000568286 /改行コード https://support.conct.jp/hc/ja/articles/14811272186649(2026年10月21日までに確認)
  • スマレジEC・B2B 料金 https://ec.smaregi.jp/b2b/price/ /CSVサンプル https://ec.smaregi.jp/b2b/professional/faq/listing/csv-sample/ /カスタムCSV https://ec.smaregi.jp/b2b/professional/faq/operation/11717/ /オプション一覧 https://ec.smaregi.jp/b2b/professional/faq/operation/02-1033/ /無料トライアル https://ec.smaregi.jp/f/b2b/signup/(2026年10月21日までに確認)
  • MOS Lite Premium 料金 https://www.moslite.jp/charge/ /機能 https://www.moslite.jp/func/ /FAQ https://www.moslite.jp/faq/ /受注企業向け https://www.moslite.jp/about/for-manages/(2026年10月21日までに確認)
  • Microsoft ドロップダウンリストを作成する https://support.microsoft.com/ja-jp/excel/get-started/create-a-drop-down-list /ブックをテキスト形式で保存する https://support.microsoft.com/ja-jp/excel/save-a-workbook-to-text-format-txt-or-csv /テキストファイルのインポートとエクスポート https://support.microsoft.com/ja-jp/office/5250ac4c-663c-47ce-937b-339e391393ba /先頭の0と大きな数値を保持する https://support.microsoft.com/ja-jp/excel/keeping-leading-zeros-and-large-numbers /データの入力規則の詳細 https://support.microsoft.com/en-us/excel/more-on-data-validation(2026年10月21日までに確認)

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