課題解決

メール注文を受注登録まで自動化する方法|二重入力をなくす手順

メール注文を受注登録まで自動化する方法|二重入力をなくす手順

取引先からメールで届く注文を、販売管理ソフトや社内の業務アプリに手で打ち直している場合、受注登録までを自動化する方法は3つあります。注文の受け付け方をWeb受注かメールや添付ファイルの読み取りで整え、そのデータを注文サイトと社内のシステムの連携で取り込みます。

どれを選ぶかは、取引先ごとの注文件数と、注文の書式がそろっているかで決まります。注文サイトを足すなら、社内のシステムとの連携まで決めておかないと、入力の場所が一つ増えるだけになります。

※受発注総研は、Bカート認定パートナーとして構築・運用代行を手がける株式会社Cravalが運営しています。

最初にメール注文を数える

1か月分の注文メールを取引先ごとに数え、次の3点で分けます。

見るところ分け方決まること
件数取引先ごとの月の注文件数どの取引先から手を付けるか
形式本文に書いてくる/Excel・PDFを添付してくる読み取りで取り込めるか
書式取引先の書式が毎回同じか、ばらばらか読み取りの精度と確認の手間
表1:メール注文の分け方

あわせて、1件の入力にかかる時間と、入力ミスで起きた誤出荷の件数も控えておきます。自動化の効果を説明するときの基準になります。数え方は受発注DXの進め方でも扱っています。

自動化の3つの方法

方法仕組み向いているとき残る作業
Web受注に移ってもらう取引先が注文サイトで商品と数量を入力する件数の多い取引先が決まっている。取引先別の価格や掛け払いがある取引先への案内。サイトから社内システムへの取り込み
メール・添付ファイルを読み取る決まった書式のメール本文や、ExcelやPDFの注文書をツールで読み取り、受注データにする取引先にやり方を変えてもらうのが難しい。書式がそろっている読み取り結果の確認。書式が変わったときの設定の手直し
注文サイトと社内システムを連携する注文サイトの注文を、CSVやAPIで販売管理や業務アプリに取り込む社内で受注を管理する業務アプリや販売管理ソフトがすでにある連携の決めごと(次の章)と、失敗したときの対応
表2:メール注文を自動化する3つの方法

3つは組み合わせて使います。件数の多い取引先にはWeb受注へ移ってもらい、移れない取引先のメールは読み取りで取り込み、どちらの注文も社内のシステムへ連携する、という組み合わせ方ができます。

読み取りで取り込む場合は、導入時に読み取り結果を元の注文と照合し、誤りの傾向を確かめます。その結果をもとに、人が確かめる項目や注文の条件を決めます。書式がばらばらな注文書や手書きの書き込みは、読み取りの誤りが出やすい。FAXで届く注文も同じ考え方で整理できます。詳しくはFAX受注から脱却する手順にまとめています。

社内の業務アプリと注文サイトをつなぐときの決めごと

注文サイトを足しても、注文を社内の業務アプリに手で入れ直していては、二重入力が残ります。連携を作る前に、次の5つを決めます。

  1. 正本をどちらに置くか:商品、取引先、価格、在庫のそれぞれについて、どちらのシステムの値を正とするか。正本の側で直し、もう一方へ流す
  2. 流す向きとタイミング:注文はサイトから社内へ、商品・価格・在庫は社内からサイトへ、のように向きを決める。即時か、1日数回のまとめてか
  3. 同じ注文を二度取り込まない仕組みと、変更・取消の扱い:注文元と注文を一意に識別できる番号で、重複して登録しないようにする。同じ注文の数量変更や取消は、新規の登録と分けて反映のしかたを決める
  4. 取り込みに失敗したときの扱い:失敗した注文を一覧で見られるようにし、誰が確かめて、どう取り込み直すかを決める
  5. コードの対応表:商品コードや取引先コードが両方のシステムで違う場合の対応表を、どちらで管理するか

つなぎ方は、CSVのファイルを受け渡す方法と、APIで直接やりとりする方法があります。反映までの時間は、CSVかAPIかだけでなく、連携を実行するタイミングで決まります。APIで即時に近い連携を目指す場合は、更新の通知があるか、取得の間隔、呼び出しの回数の制限を確かめます。APIでは認証情報の管理やエラー時の再送の作りも要ります。業務アプリ側で使える連携の方式は、Bカート×kintone連携やkintone在庫連携の5つの方法で具体例を載せています。

進める順番

  1. 1か月分の注文メールを数え、取引先を件数順に並べる
  2. 件数の多い取引先から、Web受注に移れるかを聞く
  3. 移れない取引先は、書式がそろっていれば読み取りで取り込む
  4. 注文サイトと社内システムの連携の決めごと(前の章の5つ)を決める
  5. 一部の取引先と商品で、注文から受注登録までを試す
  6. 取り込みの失敗と読み取りの誤りを1か月見て、手直ししてから広げる

つまずきやすい点

  • 商品マスタがそろっていない:取引先の書く品名と自社の商品コードが結びつかず、読み取っても連携しても手で直すことになる。品番の対応表を先に作る
  • 正本が決まっていない:価格を両方のシステムで直してしまい、どちらが正しいかわからなくなる
  • 取引先に一斉に切り替えを求める:移行できない取引先の注文を受け付けられなくなるおそれがある。件数の多い取引先から順に、並行期間を置いて移ってもらう
  • 失敗の通知がない:連携が止まっていることに数日気づかない。失敗したら担当者に通知が届くようにする

依頼先を選ぶときの確認点はBtoB EC構築・移行の相談先にまとめています。

よくある質問

メールで届く注文を自動で受注登録するには、何から始めればいいですか。
1か月分の注文メールを数え、取引先ごとの件数、本文か添付ファイルか、書式が決まっているかを分けます。件数の多い取引先にWeb受注へ移ってもらうか、書式の決まったメールや添付ファイルを読み取るかを、この数字で決めます。
社内の業務アプリで受注を管理しています。注文サイトを足すと二重入力になりませんか。
必要な受注の項目をCSVかAPIで業務アプリに取り込めれば、その項目の打ち直しはなくせます。CSVの出力と取り込みの操作まで自動にするかは別に決めます。取り込む前に、商品・取引先・価格の正本をどちらのシステムに置くか、同じ注文を二度取り込まない仕組み、取り込みに失敗したときの担当を決めておきます。
AI-OCRで読み取れば、手入力は要らなくなりますか。
導入時は読み取り結果を元の注文と照合し、誤りの傾向を見て、人が確かめる項目を決めます。書式がばらばらな注文書や手書きは、読み取りの誤りが出やすいためです。件数の多い取引先から順に、書式をそろえてもらうかWeb受注へ移ってもらうと、確認の手間が減ります。

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