メール注文を受注登録まで自動化する方法|二重入力をなくす手順
2026.10.02
取引先からメールで届く注文を、販売管理ソフトや社内の業務アプリに手で打ち直している場合、受注登録までを自動化する方法は3つあります。注文の受け付け方をWeb受注かメールや添付ファイルの読み取りで整え、そのデータを注文サイトと社内のシステムの連携で取り込みます。
どれを選ぶかは、取引先ごとの注文件数と、注文の書式がそろっているかで決まります。注文サイトを足すなら、社内のシステムとの連携まで決めておかないと、入力の場所が一つ増えるだけになります。
※受発注総研は、Bカート認定パートナーとして構築・運用代行を手がける株式会社Cravalが運営しています。
最初にメール注文を数える
1か月分の注文メールを取引先ごとに数え、次の3点で分けます。
| 見るところ | 分け方 | 決まること |
|---|---|---|
| 件数 | 取引先ごとの月の注文件数 | どの取引先から手を付けるか |
| 形式 | 本文に書いてくる/Excel・PDFを添付してくる | 読み取りで取り込めるか |
| 書式 | 取引先の書式が毎回同じか、ばらばらか | 読み取りの精度と確認の手間 |
あわせて、1件の入力にかかる時間と、入力ミスで起きた誤出荷の件数も控えておきます。自動化の効果を説明するときの基準になります。数え方は受発注DXの進め方でも扱っています。
自動化の3つの方法
| 方法 | 仕組み | 向いているとき | 残る作業 |
|---|---|---|---|
| Web受注に移ってもらう | 取引先が注文サイトで商品と数量を入力する | 件数の多い取引先が決まっている。取引先別の価格や掛け払いがある | 取引先への案内。サイトから社内システムへの取り込み |
| メール・添付ファイルを読み取る | 決まった書式のメール本文や、ExcelやPDFの注文書をツールで読み取り、受注データにする | 取引先にやり方を変えてもらうのが難しい。書式がそろっている | 読み取り結果の確認。書式が変わったときの設定の手直し |
| 注文サイトと社内システムを連携する | 注文サイトの注文を、CSVやAPIで販売管理や業務アプリに取り込む | 社内で受注を管理する業務アプリや販売管理ソフトがすでにある | 連携の決めごと(次の章)と、失敗したときの対応 |
3つは組み合わせて使います。件数の多い取引先にはWeb受注へ移ってもらい、移れない取引先のメールは読み取りで取り込み、どちらの注文も社内のシステムへ連携する、という組み合わせ方ができます。
読み取りで取り込む場合は、導入時に読み取り結果を元の注文と照合し、誤りの傾向を確かめます。その結果をもとに、人が確かめる項目や注文の条件を決めます。書式がばらばらな注文書や手書きの書き込みは、読み取りの誤りが出やすい。FAXで届く注文も同じ考え方で整理できます。詳しくはFAX受注から脱却する手順にまとめています。
社内の業務アプリと注文サイトをつなぐときの決めごと
注文サイトを足しても、注文を社内の業務アプリに手で入れ直していては、二重入力が残ります。連携を作る前に、次の5つを決めます。
- 正本をどちらに置くか:商品、取引先、価格、在庫のそれぞれについて、どちらのシステムの値を正とするか。正本の側で直し、もう一方へ流す
- 流す向きとタイミング:注文はサイトから社内へ、商品・価格・在庫は社内からサイトへ、のように向きを決める。即時か、1日数回のまとめてか
- 同じ注文を二度取り込まない仕組みと、変更・取消の扱い:注文元と注文を一意に識別できる番号で、重複して登録しないようにする。同じ注文の数量変更や取消は、新規の登録と分けて反映のしかたを決める
- 取り込みに失敗したときの扱い:失敗した注文を一覧で見られるようにし、誰が確かめて、どう取り込み直すかを決める
- コードの対応表:商品コードや取引先コードが両方のシステムで違う場合の対応表を、どちらで管理するか
つなぎ方は、CSVのファイルを受け渡す方法と、APIで直接やりとりする方法があります。反映までの時間は、CSVかAPIかだけでなく、連携を実行するタイミングで決まります。APIで即時に近い連携を目指す場合は、更新の通知があるか、取得の間隔、呼び出しの回数の制限を確かめます。APIでは認証情報の管理やエラー時の再送の作りも要ります。業務アプリ側で使える連携の方式は、Bカート×kintone連携やkintone在庫連携の5つの方法で具体例を載せています。
進める順番
- 1か月分の注文メールを数え、取引先を件数順に並べる
- 件数の多い取引先から、Web受注に移れるかを聞く
- 移れない取引先は、書式がそろっていれば読み取りで取り込む
- 注文サイトと社内システムの連携の決めごと(前の章の5つ)を決める
- 一部の取引先と商品で、注文から受注登録までを試す
- 取り込みの失敗と読み取りの誤りを1か月見て、手直ししてから広げる
つまずきやすい点
- 商品マスタがそろっていない:取引先の書く品名と自社の商品コードが結びつかず、読み取っても連携しても手で直すことになる。品番の対応表を先に作る
- 正本が決まっていない:価格を両方のシステムで直してしまい、どちらが正しいかわからなくなる
- 取引先に一斉に切り替えを求める:移行できない取引先の注文を受け付けられなくなるおそれがある。件数の多い取引先から順に、並行期間を置いて移ってもらう
- 失敗の通知がない:連携が止まっていることに数日気づかない。失敗したら担当者に通知が届くようにする
依頼先を選ぶときの確認点はBtoB EC構築・移行の相談先にまとめています。
よくある質問
- メールで届く注文を自動で受注登録するには、何から始めればいいですか。
- 1か月分の注文メールを数え、取引先ごとの件数、本文か添付ファイルか、書式が決まっているかを分けます。件数の多い取引先にWeb受注へ移ってもらうか、書式の決まったメールや添付ファイルを読み取るかを、この数字で決めます。
- 社内の業務アプリで受注を管理しています。注文サイトを足すと二重入力になりませんか。
- 必要な受注の項目をCSVかAPIで業務アプリに取り込めれば、その項目の打ち直しはなくせます。CSVの出力と取り込みの操作まで自動にするかは別に決めます。取り込む前に、商品・取引先・価格の正本をどちらのシステムに置くか、同じ注文を二度取り込まない仕組み、取り込みに失敗したときの担当を決めておきます。
- AI-OCRで読み取れば、手入力は要らなくなりますか。
- 導入時は読み取り結果を元の注文と照合し、誤りの傾向を見て、人が確かめる項目を決めます。書式がばらばらな注文書や手書きは、読み取りの誤りが出やすいためです。件数の多い取引先から順に、書式をそろえてもらうかWeb受注へ移ってもらうと、確認の手間が減ります。
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