製品レビュー

EC-CUBEでBtoB・卸サイトを作るには?プラグインの価格と保守の注意点

EC-CUBEでBtoB・卸サイトを作るには?プラグインの価格と保守の注意点

EC-CUBEでBtoB・卸サイトは作れます。EC-CUBEは無償でダウンロードして使えるオープンソースのEC構築ソフトで、取引先別の価格や会員登録の承認などは、要件に応じて公式のオーナーズストアのプラグインや個別のカスタマイズで足します。この記事で紹介する4つの機能の構成例では、プラグインの購入費の単純な合計は64,800円(税込)で、構築や保守の費用は別にかかります。

選ぶときは、ダウンロード版の脆弱性への対応を自社(または依頼した制作会社)で行うこと、NP掛け払いの公式プラグインの対応バージョン、クラウド版(ec-cube.co)が新規の受付を停止していることを確かめます。情報は2026年10月20日にEC-CUBEの公式サイト・オーナーズストア・公式GitHubで確認しました。

※受発注総研は、Bカート認定パートナーとして構築・運用代行を手がける株式会社Cravalが運営しています。

この記事でわかること

  • EC-CUBEの提供形態と料金(ダウンロード版・商用ライセンス・クラウド版)
  • BtoBの機能を足すプラグインの名前・提供元・価格・対応バージョン
  • 掛け払いの受け方と、4.3系での注意点
  • 保守とセキュリティの責任の範囲

EC-CUBEでBtoB・卸サイトは作れる?

作れます。EC-CUBEでは、取引先別の価格や会員登録の承認などを、要件に応じてプラグインや個別のカスタマイズで足します。公式は、以前のEC-CUBE B2Bで得たノウハウを4系に生かしていると説明しています。安定版の最新は4.3.1-p1(2026年3月4日公開、脆弱性への対応)です。

次期版の4.4は「2026年8月にリリース」と2026年5月15日に告知されましたが、10月20日の時点で公式GitHubに公開されているのはアルファ版(2026年9月25日)です。プラグインには対応バージョンがあるため、どのバージョンで作るかを先に決めます。

EC-CUBEの料金は?

ダウンロード版は無償です。EC-CUBEはGPLと商用ライセンスのデュアルライセンスで、商用ライセンスは1サイト264,000円(税込)です。

提供形態料金補足
ダウンロード版無償サーバー、構築、保守の費用は別にかかる
商用ライセンス1サイト264,000円(税込)。3本一括は1本237,600円、10本以上は1本211,200円公式は、EC-CUBEを頒布する際にソースコードを開示せず、GPLに準拠しない場合などに必要と説明。商用のサイトで使うだけなら買う必要はないと案内。動作を保証するライセンスではない
クラウド版(ec-cube.co)新規受付を停止中公式サイトに「ただいま新サービス準備のため、新規受付は停止中です」と記載
EC-CUBE Enterprise BtoB価格の記載は確認できず2025年1月8日に提供開始と発表。確認時点では、同じURLにEnterprise for AfterMarketが掲載されている
表1:EC-CUBEの提供形態と料金(2026年10月20日 EC-CUBE公式サイトで確認)

ダウンロード版にかかる費用は、サーバー、デザインと構築、プラグイン、保守です。構築や保守を頼む場合は、EC-CUBEのインテグレートパートナー(公式の制作パートナー)などに見積もりを取ります。

BtoB・卸サイトに使えるプラグインと価格は?

取引先別の価格、数量別の価格、見積もり、会員登録の承認、最低購入数はオーナーズストアのプラグインで足せます。同じ機能に複数の提供元のプラグインがあり、価格と対応バージョンが違います。

機能プラグイン名(提供元)価格(税込)対応バージョン
会員グループの管理(同社のアドオンを使うときに必要)会員グループ管理プラグイン【BtoB】(あずみ.net)69,800円4.2/4.3
会員グループ別の価格・数量割引会員グループ管理【BtoB】::会員グループ価格管理アドオン(あずみ.net)59,800円4.2/4.3
会員グループ別の価格・数量割引会員グループ別価格&数量別割引マネージャー(SmartITGroup)39,800円4.2/4.3
特定の会員の価格特定会員価格プラグイン(あずみ.net)69,800円4.2/4.3
まとめ買いの価格まとめ買い価格設定プラグイン(systemkd)35,000円4.2.0〜4.3.1-p1
見積もり見積もり依頼プラグイン(CubeLab)16,000円4.2/4.3
会員登録の承認会員登録承認制プラグイン(4.3系)(Bootech)5,000円4.3
会員登録の承認会員グループ管理【BtoB】::会員登録承認制アドオン(あずみ.net)※会員グループ管理本体と会員登録アドオン(15,000円)が必要59,800円4.2/4.3
会員だけが見られるサイト会員制サイトプラグイン(あずみ.net)69,800円4.2/4.3
カート内の合計数量に対する最低購入数最低購入数設定プラグイン for EC-CUBE 4.3(ナインポイント)4,000円4.3
販売種別ごとの最低購入金額最低購入金額を設定するプラグイン for EC-CUBE 4.3(ナインポイント)15,000円4.3
会員グループ別の支払方法会員グループ管理【BtoB】::支払い方法管理アドオン(あずみ.net)59,800円4.2/4.3
表2:BtoBの機能を足す主なプラグイン(2026年10月20日 EC-CUBEオーナーズストアで確認。価格と対応バージョンは変わることがある。プラグインのライセンスは商品ごとに異なる)

組み合わせの例として、4.3系で会員グループ別の価格・数量割引(SmartITGroup 39,800円)、会員登録の承認(Bootech 5,000円)、最低購入数(ナインポイント 4,000円)、見積もり(CubeLab 16,000円)をそろえると合計64,800円です。あずみ.netの会員グループ管理【BtoB】(69,800円)に、価格管理アドオン(59,800円)、会員登録アドオン(15,000円)、会員登録承認制アドオン(59,800円)、支払い方法管理アドオン(59,800円)を足すと合計264,200円で、会員制サイトプラグイン(69,800円)を加えると334,000円です。いずれも各プラグインの定価を足した金額で、公式のセット価格ではありません。プラグイン同士を組み合わせたときに動くか、商品ごとの最低数量やケース単位の制御が必要かは、提供元に確認します。

掛け払い(請求書払い)はどうする?

NP掛け払いは、ネットプロテクションズが公式のプラグイン(無料)を出しており、商品ページの対応欄は4.2系向けが4.2.1/4.2.3、4.0系向けが4.0.6-p1です。今回オーナーズストアで4.3系向けのものは見つかりませんでした。導入するバージョンでの対応を先に確かめます。

NP掛け払いの料金は、初期費用0円、債権の買取手数料0.2〜0.5%(非課税)、システム利用料(変動)1.0〜3.1%(税別)、システム利用料(固定)12,000円〜(税別)、成約サポート手数料0〜252円(税別)で、実際の料率は契約時の見積もりで確かめます。Paidは公式サイトで、EC-CUBEとはAPIで連携できると案内しています。掛け払いサービスの違いはBtoB ECの見積・与信・請求書払いで比べられます。

保守とセキュリティは誰がする?

ダウンロード版では、脆弱性への対応を含む保守をサイトを運営する会社(または保守を頼んだ制作会社)が行います。EC-CUBEは見つかった脆弱性を公式サイトとJVNで公開しており、運営者に、使っているバージョンを確かめ、セキュリティのチェックリストと脆弱性の一覧を見て修正を当てるよう案内しています。

たとえば2026年3月4日には、4.1.0〜4.3.1で2段階認証を回避されるおそれがある脆弱性(深刻度は中)が公開され、修正版の4.3.1-p1が出ています。公式のセキュリティのページでは、専門の企業による診断などの対策も案内されています。プラグインを多く入れるほど、バージョンアップのときに確かめる範囲が広がります。

EC-CUBEが向いている会社は?

EC-CUBEはプラグインやカスタマイズで自社の業務に合わせて作り込みたい会社や、社内か取引のある制作会社に、PHPのシステムの保守を任せられる会社に向いています。ソフトは無償ですが、構築・保守・脆弱性対応の手間と費用がかかります。

保守をサービス側に任せたい場合は、月額制のBtoB EC(クラウド型)とも比べます。製品の比較はBtoB ECサイト比較、費用の比べ方は受発注システムの費用相場、クラウドと個別開発の比べ方はBtoB ECはクラウドか個別開発かにあります。

よくある質問

EC-CUBEでBtoB ECは作れますか?
作れます。取引先別の価格、会員登録の承認、見積もり、最低購入数などは、要件に応じてオーナーズストアのプラグインや個別のカスタマイズで足します。この記事の4つの機能の構成例では、プラグインの購入費の単純な合計は64,800円(税込)で、構築・保守の費用は別です(2026年10月20日 オーナーズストアで確認)。
EC-CUBEは無料で使えますか?
ダウンロード版は無償です。EC-CUBEを頒布する際にソースコードを開示しないなど、GPLに準拠しない場合は商用ライセンス(1サイト264,000円、税込)が必要で、商用のサイトで使うだけなら買う必要はないと公式は案内しています。サーバー、構築、プラグイン、保守の費用は別にかかります。クラウド版のec-cube.coは新規受付を停止しています。
EC-CUBEで掛け払いは使えますか?
NP掛け払いには4.2系向け(対応欄は4.2.1/4.2.3)と4.0系向け(4.0.6-p1)の公式プラグインがあります。4.3系向けは今回オーナーズストアで見つからなかったため、導入するバージョンでの対応を確かめてください。PaidはEC-CUBEとAPIで連携できると案内しています。
EC-CUBEの保守は誰がしますか?
ダウンロード版では、サイトを運営する会社か、保守を頼んだ制作会社が行います。EC-CUBEは脆弱性を公式サイトとJVNで公開しており、運営者が自分のバージョンを確かめて修正を当てるよう案内しています。

出典

  • EC-CUBE ダウンロード https://www.ec-cube.net/download/ /ライセンス https://www.ec-cube.net/license/ /商用ライセンス https://www.ec-cube.net/products/detail.php?product_id=122(2026年10月20日確認)
  • EC-CUBE クラウド版 https://www.ec-cube.co/ /https://www.ec-cube.net/lp/co/(2026年10月20日確認)
  • EC-CUBE 4.3.1-p1 https://github.com/EC-CUBE/ec-cube/releases/tag/4.3.1-p1 /4.4.0-alpha-1 https://github.com/EC-CUBE/ec-cube/releases/tag/4.4.0-alpha-1 /4.4の告知 https://www.ec-cube.net/press/detail.php?press_id=350(2026年10月20日確認)
  • EC-CUBE Enterprise BtoB https://www.ec-cube.net/enterprise/btob/ /https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000391.000009812.html(2026年10月20日確認)
  • EC-CUBE オーナーズストア(BtoB向けプラグインの一覧) https://www.ec-cube.net/products/list.php?category_id=&keywords=btob(2026年10月20日確認)
  • EC-CUBE 脆弱性情報 https://www.ec-cube.net/info/weakness/ /セキュリティ https://www.ec-cube.net/security/ /パートナー制度 https://www.ec-cube.net/partnerpage/top.php /BtoB https://www.ec-cube.net/lp/b2b/(2026年10月20日確認)
  • NP掛け払い https://np-kakebarai.com/ /料金 https://np-kakebarai.com/service/price/ /Paid 対応カート https://paid.jp/v/contents/pre/cart.jsp(2026年10月20日確認)

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